カテゴリー「映画」の4件の記事

2015.04.11

4/11(土)「アッシャー家の末裔」@新文芸坐

危うく入れない所でした。

「アッシャー家の末裔」
説明:片岡一郎
ギター:湯浅ジョウイチ

「黒澤明が愛した10本の映画」という特集の中の一本。寝坊してアッシャー家上映の10分前に着いたら、劇場の前でスタッフが「後少しで入場規制で入場できなくなります、今なら立ち見ですが入れます」のアナウンスをしていて、ヒー!と大急ぎで中に入る。チケットを買って「何この列!?」ってくらいの男子トイレの列を横目に中に入るとなるほど大入り満員。最近ちょこちょこと映画を見に行くけど、何が混むのか初心者には全然予想できない。とはいえこの日は映画4本で、それに都度ピアノ・活弁・トーク・活弁と付き、トークのゲストは黒沢和子さん。そりゃ混むよねって話。結局一番後ろで立ち見で見た。

初めて見た「アッシャー家の末裔」は、木々の枯れた森や川、調度品の少ない広い部屋、風に揺れる大きなカーテンなど、どれも絵が綺麗。白黒だけでなく濃い青というか藍色のような画面もその景色にピッタリで。その冷たい印象のする画像にジョウイチさんのギターがこれまたとてもしっくりきた。そこにそーっと入ってくる片岡さんの説明もいい。台詞もいいけれど、前半の幅の広い何もない廊下に大きなカーテンがゆっくりゆっくり揺れている所での、あまり張らない声での詩のような長台詞が入る場面がそれはそれは美しくて。一番印象に残ったかも。終始、映像も説明もギターも「素敵だな…」ってぽわーんとしながら見てた。

内容的には、相互関係がどうあれ絵を完成させるほど嫁が弱っていくならとりあえず書くのをやめなよ、とか、自分から来てくれって言った割に友達に対して雑だ、とか、死んでるか死んでないかは確かめて棺に入れよう!とか、思う所はあったけどそこは別にいいよね。気にしなくても。

今回の説明はフランスのものを使用したので出てきた字幕と若干の違いがあったことを…との事。「ドラゴン」ってのを「大蛇(おろち)」って説明していたのは、その時代の人に禍々しい恐怖を想像させる時に「龍」っていうより「大蛇」と言った方がわかりやすいからなのかとか。どうなのかしら。一事が万事ちょっとした言い回しや言葉選びに訳者や弁士のセンスが問われるんじゃないのこれ?って思う。

上映前の解説の時に、片岡さんが日本上映時に監督にインタビューしたものを読んでくださって、それがまた豪華なおまけみたいで嬉しかった。遠目だったけど衣装もカッコ良くて(インバネスを羽織っていたみたい)、一時間と少しだったけど大満喫。もしまたこういう機会があったら「よくわからなかったら取りあえずチョー早めに」をモットーに早めに行きたい。

後私はまだやっぱり映画としてより話芸を聴きに行ってる感が強いよなーと思った。何せ気になるものと言葉とか声とか。あの長い詩のような台詞とか全部読んでみたい。説明やギターが入らないサイレントそのままで見たらまた印象が違うのかなって。どこかで又上映される事があったらそれを確かめに見に行きたい。でも片岡さんの説明が好きだし、以前柳下恵美さんのピアノと一緒にやった事もあったそうで、きっと柳下さんのピアノも似合うだろうなあって思うと一つの映画で何度も色んな形で楽しめるっていいなと思うのでありました。

入れて本当に良かったね。

2015.04.05

4/5(日)「逆戻りだよ!全員、集合!!」@喫茶 茶会記

コーヒーが美味しかった。

「人生逆戻りツアー」朗読(松田光輝、下館あい、片岡一郎、下舘直樹(ギター))
~休憩~
下舘直樹 ミニライブ
全員でトーク
「黒手組助六」説明 片岡一郎

片岡さんは「オカマの神様」の役で、話しだしたら自分の中にすっごい派手な化粧でゴージャス系のお姉さんが浮かんでいて、後のトークでお知り合いのドラァグクィーンをモデルにしてる的な話をされていて、まさにピッタリ!と嬉しかった。張って出す声もカッコいいけど、ぽそっとつぶやくような声もその時の台詞と合っていて思わず笑ってしまう場面もしばしば。おねえ言葉がとっても似合う。

「黒手組助六」は助六(林長二郎)っていう男前が大活躍って話。10分位の短いものだったのだけど、もめたり、花魁に言い寄られたり、喧嘩したりと盛り沢山。助六の着物は大きな市松模様に梵字が書いてあるような派手な着物だったり、花魁が駕籠に乗っているのだけど、ものすっごいきゅうきゅうで乗っていて「え?そんな狭いの?」って思ったり、紀伊国屋文左衛門が日本一の豪商の貫録バリバリっていうより人の良さそうなぽっちゃりしたオッサンみたいだなとか、昔の映画って短い時間でも「お!」みたいな場面が沢山会って面白いなって思う。

途中助六が立ち回りをする場面だかで野次馬の男が「大きいぞ!」って声をかける場面が。字幕にものっていたので元からある台詞なんだろ思うけど、なにその「大きいぞ!」って。喧嘩だから「やっちまえ!」とか「頑張れ!」とかならわかるけど「大きいぞ!」って何?。変な所が気になる。後「クソを食らって西へ飛べ!」の啖呵がカッコいい(Twitterでは「行け」で書いたけど「飛べ」だね)。映画の感想って書き慣れないから難しい。

下館さんが随分胸元の空いた服を着ていらしたのだけど、アピールするならいっそボーン!とした方がいいし、そうじゃないならもっと視線のいかない位の開きにしないと何だか中途半端な印象。見せるなら見せる、見せないなら見せないにしてくださった方が、こちら側としても楽なのだけどなあと。内容と関係ない話ですけども気になったので。

朗読・トーク・ライブ・活動写真と盛り沢山な会なのでした。

あ、そうそう。トークの後に「人生逆戻りツアー」原作の作者の泉ウタマロさんの本と片岡さんが今度出演する神保町シアターのチケットプレゼントがあり、本2冊とチケット1枚分を順にじゃんけんをする事に。運を残すために最後のチケットの時だけじゃんけんに参加したら4人であいこの後にまさかの勝ち。11月にはドイツ土産のお菓子をじゃんけんでゲットし、1月の神保町シアターではチケットの半券番号抽選でドイツ版のポスターを当て、そしてまさかの今回の勝ち。そりゃ片岡さんも「又あなた!」って言うって話で。

活動写真の神様ありがとう!であります。

2015.02.22

2/22(日)「あるぽらんキネマ劇場 Vol.51」@あるぽらん’89

初めてのハコは緊張する。

「国士無双」
「血煙高田馬場」(現存最長版)
~休憩~
「チャップリンのパンとダイナマイト」
「バスター・キートン 文化生活一週間」

説明 片岡一郎
ギター 五十嵐正史

最初に片岡さんが前に出てきて立ち高座でこの前まで行っていた海外での話を色々。「ボンでアーティストビザで一苦労」の話は何度聞いても面白い。私が座った席の関係で片岡さんをすごく近くでしかも下から見るっていう珍しいシチュエーションで、この距離でガン見されるのも向こう様も気味が悪いだろうし、かといって全然違う所を見てるのもそれはそれで怪しいしと、いらぬ自意識と無駄な葛藤。多分普通に見てれば問題ない。その後五十嵐さんが出てきて一曲弾いて、それから映画上映。前にスクリーンで、お二人は客席の一番後ろで説明とギター。

「国士無双」は片岡千恵蔵がものを知らないおバカさん体、でもどこか達観していて、そして男前でチャーミング。片岡さんの溌剌と若々しい爽やかな声が良く似合う。本物の伊勢伊勢守や山奥の仙人のようないかにもなキャラも出てきて楽しい。

「血煙高田馬場」は今残っている中で一番長い番との事で、確かに色々場面増えてる。年末に坂本頼光さんも長い版を上映してたけど、同じなような何か違うような…。という私のダメな記憶力。

前半邦画で後半は洋画が二本。チャップリンの物って片岡さんご出演の会を見に行くようになってちょこちょこと見るのだけど、つまらない訳ではないけど見てると「ん…」って思う事がしばしば。映画自体にに対してどうのこうのではなくて(そんなえらそうな事ではなく)、チャップリンのキャラクターに対して「ん…」って思う感じ。まだあれかな私の映画初心者だからかな。ある程度見ることに慣れると面白さがわかるものってあると思うので。

今はバスター・キートンの方が楽しく見られる。今回の「文化生活一週間」も面白かった。とんでもないアクションをさらっとこなして、色んなオチのタイミングがいちいちツボで、しかもテンポよく次々と起こる出来事に片岡さんの説明がとってもピタッとはまって気持ちがいい。キートンの足(甲と足首のつなぎ目)にピアノの角が当たった瞬間の「痛い!痛い!足が痛い!」の台詞、しかも二度押しの場面とか激ヒット。

映画自体を今までほとんど見たことが無いので、いちいち色々新鮮で楽しい。

2015.01.04

1/4(日)「痛快!豪快!娯楽の殿堂!無声(サイレント)ちゃんばら映画傑作選」で『韋駄天数右衛門』@神保町シアター

初神保町シアター。

「韋駄天数右衛門」
昭和8年、白黒
監督:後藤岱山
出演:羅門光三郎、市川龍男、阪東太郎、静田二三夫、市川花紅、原駒子 他

弁士:坂本頼光
ピアノ:小林弘人

実は前日の回も見ようと思っていて「前の予定が終わり次第即行向かえば大丈夫だろうと」たかをくくっていたらツイッターで「売り切れました」の告知が…。後で詳しい友人に聞くと「人気のものは10時前から並んでチケットを先に買っておいて、時間になったら来る」と。って詳しい人が近くにいるなら先に聞いておけよ!な訳ですけども。私おバカさん。

売り切れとは出たけれど一応向かってみたもののやっぱり入れず(そりゃそうだ)、改めて窓口で色々聞いて初日はすごすごと帰る。そして翌日は早くに来て無事チケットを購入して見ることが出来たのだけど、この日は昨日の「混み混みツイート」で尻ごみした人もいたのか、はたまた連休最終日だったからかそこまでの人出ではなく、昨日ぐらいの時間に来ても見られた模様。

最初に少し坂本さんから映画の説明が。弁士がいらっしゃるとこういう「映画マメ知識」的なものが聞けるのが楽しみ。特に私は映画の事を全然知らないので、どの話も興味深い。

で、映画。

赤穂浪士の一人、不破数右衛門が主人公。生来のおっちょこちょいな性格で色々ポカをしでかすも意外に皆から好かれている。が、城内の重役の息子を間違って斬ってしまった事から浪人となる。そんな中、赤穂の殿様が殿中で刃傷におよんだというのを知って、質に入れた鎧櫃を強引に取出して「お家の一大事!」と城に駆け付けるってお話。

羅門光三郎の不破数右衛門がカッコ良かった、顔がバシッとしてる。城内にいる時は愛嬌がある。粗忽者で殿様の頭をそっていて怪我させちゃうのに「数右衛…」で済んでしまう所とか、随分好かれてる。自分的にはそっちもいいけど浪人になってからボサ髪・髭・よれた着物の立ち回りとかの方がワイルドで好み。特に最後に背中に鎧櫃を背負ったまま、途中槍で向かってくる多勢をバッタバッタと切り倒しながら、なおもそのまま全力走っていく場面がいい。その続きで橋の上で倒してる場面を引きの絵で映してて、そこが妙に切なくて、ただただ忠義の気持ちを胸に走る姿に思わずホロリ。

白黒だから色はわからないのだけど着物の柄が派手で、紋が今よりずっと大きい。直径が倍位有りそう。これは映画だからなのかあの時代だからなのか。柄も「小さい格子に大きい格子に水玉」みたいな柄&柄さらに柄!の組み合わせも多くて、これカラーで見たら随分華やかなんでしょうね。

坂本さんの説明と小林さんのピアノも後半になるにつれてどんどん映像と絡まって来て、数右衛門がお家の一大事を知ったあたりからは別々って感じがしなかった、グッと一つになって盛りあがっていくのに飲みこまれていくような。ワクワクした。

時代劇面白いね<今更!