« 2014年3月 | トップページ | 2014年6月 »

2014.05.31

5/31「第12回神田阿久鯉独演会」@神保町らくごカフェ

これでもか、と講談を聴く一日。楽しい。

貞鏡「木村重成 堪忍袋」
阿久鯉「天保六花撰 片岡直次郎 油屋の強請」
~仲入り~
阿久鯉「幡隨院長兵衛 長兵衛、盗賊を懲らす(鈴ヶ森)」

貞鏡さんの木村重成は、阿久鯉先生の重成とは全然違って(ご本人もおっしゃっていたけど話が違うから違って当然だけど)、明るくて笑いが多い。お着物も派手目だったし、パッとした開口一番。

阿久鯉先生は今日も色々と楽しい近況報告や思い出話を。須賀神社の独演会でも聞けないようなレアネタ満載、しかも阿久鯉先生がイキイキとそれはそれは楽しくお話してくださるので、もー面白くてたまらない。「私には本当に博才がなてく…」という話のエピソードでは客席爆笑。

またお話の方はそれはそれはカッコよくて。油屋の強請では直次郎は悪い奴なんだけど、阿久鯉先生がやるとカッコよく見えちゃうし、このお話直次郎が油屋の番頭を利用して大金を得るのだが、番頭が損をしないような強請の筋だてで、その筋立てに関心。まあ、番頭はそこで上手くいってしまったがゆえに、結局は悪の道に染まってしまうようなのだけども。歯切れのいい口調と、次から次へと変わっていく場面展開に、長めのお話もあっという間。

後席は幡隨院長兵衛、先日の須賀神社で読まれた部分。向こうではきっちりとその部分をまるままという感じだったけど、今日はそこをうまく短い時間に凝縮させたバージョン。盗賊がダッと言い立てた時「は~先生の盗賊カッコイイ~」と目をハートにさせた瞬間、「私やっぱり泥棒が好き!」っておっしゃったのにはウケた。幡隨院長兵衛のような話は女にはハードルが高くて…的な話の後でのこの台詞。確かに泥棒とか博打打ちとかとっても似合う。でも長兵衛のようなタイプも似合ってないことは全然ないと思うので、この先も楽しみ。

終始「カッコイイ!」ばっかりの2席なのでした。

5/31「花形講談会(第59回) 第2回花形女子講談会」@神保町らくごカフェ

女子会初参加。

貞寿「柳沢昇進録 徂徠豆腐」
きらり「寛政力士伝 谷風情け相撲」 
~仲入り~
翠月「お富与三郎 玄冶店」

貞寿さん、前の貞橘会ではまくら控え目だったけどこちらではNHK講談大会に行った時の話など、色々。貞寿さん可愛いな。お話は徂徠豆腐、この話も講談だけでなく噺家さんもよくかけていらっしゃるけど、本当に人によって色が違う。貞寿さんのはさらっとしてる。きらりさんも話が短いのでと沢山まくらを。きらりさんもまくらいいよねえ。あの「高崎のおじさんの所にいった話」はあれで一席出来そう。そして谷風ではきらりさんにしては珍しいハプニングがありつつも、ドスのきいたカッコイイ一席。

最後は翠月先生。まくらではお若い頃のちょいと色っぽい失敗談をいくつか。「玄冶店」はその前の部分のあらすじもざっと話してくださったので、お富与三郎を知らない人でもしっかり楽しめたと思う。大きな声を張るわけではないけど、じわじわっときいてくるような、言葉に説得力のあるお富与三郎でした。かなり長講だったみたいだけど、全然長く感じなかった。良かったなー。

そしてまた並ぶのだ、一日らくごカフェ。

5/31「第33回貞橘会」@神保町らくごカフェ

全部一龍斎の人。

貞弥「お竹如来」
貞橘「笹野権三郎 戸塚焼餅坂の義侠」
貞寿「水戸黄門漫遊記 面の餅由来」
~お仲入り~
貞橘「西行唄行脚 鼓ヶ滝」

貞弥さんを見ていると紫先生を思い出す。まくらの感じとか話の選び方とか。なんとなくですけど。貞寿さんは子供がかわいい。初めて聴いた時は声がちょっとアニメ声っぽくて少し苦手だったのだけど、まくらが楽しく引きごとのセンスが好みなことで、今では楽しみな人の一人に。ばくち打ちとか人殺しが出てくる話もいいけど、こういう悪い人が出てこない「良かった良かった」なおめでたいお話もいいね。

貞橘先生は本日二席。見た目とかは「柔」なのに、声が男らしくていい。貞橘先生がやる「威勢のいい若者」キャラは、言葉が跳ねてて(という言い方が正しいのかわからないけど)カッコイイ。貞橘先生は今(といってももう一年経つけど)私の中で大ブーム。特にこの貞橘会は毎月あって、ネタおろしもあって、すっごくお勧めなのだけど、どう褒めていいのかが難しい。面白い!上手い!とかではくくれない良さなのですよ。聴いていると心地よくて、何度も聴きたくなる。時々天然なのかネタなのか、とんでもない引きごとを入れて「ワォ!」みたいになったりするのも可愛いなと。

全然レポになってないですけど、楽しい貞橘会だった、というのを言いたいのです。
今回修羅場がなかったのがちょっと残念。好きなのです、先生の修羅場読みが。

次回は6月28日(土)13:30から。

2014.05.30

5/30「第四十四回 神田松鯉の会」@お江戸日本橋亭

いつも大盛況。

みのり「偽巌流」
松之丞「和田平助鉄砲斬り」
松鯉「水戸黄門記より~紋太夫お手討」
~仲入り~
花<紙切り>
松鯉「祐天吉松より~加賀屋婿入り」

松之丞さんがいつもにも増して汗だくで、勢い満々の高座を終えた後、ゆっくり出てきた松鯉先生が満面の笑顔で「お騒がせいたしました」って言うのだけど、あれがいいよね。包んでるな、って感じがするのがいい。

今回の師匠の二席はどちらもあまり普段は読まない話。祐天吉松はきらりさんが連続で読んでいたので馴染みがある感があるけど、師匠はほとんどかけてない。別に「笑わせるぞー!」というあれで読んでいないと思うのだけど、今日の祐天吉松は全体にとっても客席からの笑い声が多くて、今まで何度か聴いた祐天吉松とはなんとなく雰囲気が違って聴こえた。

紋太夫お手討は数年前に末廣亭でトリをとられて十日間水戸黄門記だった時に聴いて以来。あの時は感動しすぎでしばらく立ち上がれず、そして興奮しすぎて出待ちした<馬鹿。あの時はものすごく重たい話だったという印象なのだけど、今回は重さより、紋太夫が黄門様に悪事を指摘され黙って討たれるあの一連の場面の「関係者全員のわかってる感」がカッコいいなあと思った。可愛がっていた紋太夫だけど水戸の家の為に自ら手を下す黄門様、恐れ多い企みをしていたくせに黄門様に指摘されて黙って討たれる紋太夫、黙って黄門様をサポートするあの人(名前忘れた)、全員が自分の立場を承知してるあのわかってる感。師匠のあの質量のある深い声で、淡々と進むあの場面。クール!

何で好きになるかって、勿論色んな要素が複合してなのだけど、やっぱり声重要だよね、声。としみじみ思った。師匠のあのアンダーですーっとしみてくるあの声が大事だよなあと。

松之丞さんが師匠との話で「緊張するからこの会やめたい」的な発言があったようだけど、尺を気にせずたっぷり満を持してという環境で二席聴ける会というのは本当にありがたいので、師匠的には大変だろうけれど、ずっと続けて欲しいものです。

年に二度なので次回は秋位、皆様も是非に。

« 2014年3月 | トップページ | 2014年6月 »