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2008.10.21

10月21日(火)「オレスタイル」紀伊国屋サザンシアター(続き)

「オレスタイル」の感想続き。

今回は昇太さん曰く「どれも追い詰められた人」の噺。花筏以外はどれもやったことの
ある噺だそうだけど(といっても牛ほめは二つ目になってからやっていないから、20年
振りくらいとのこと)、私はどれも初聞きだったので新鮮。まくらで「噺に格なんかな
い」「師匠がよくトリで牛ほめをやってたけど、それでなんにも問題無い。笑ってもら
うのが大事」とさんざ振ったからこれはと思ったらやはり牛ほめ。いつも思うけどスタ
ンダードなあの会話も(鼻かむ紙の順序を間違えるっての)、昇太さんがやると新鮮&
違和感。

寄席ではしょっちゅう色んな人で聞く牛ほめだけど、昇太さんがやると一人一人のキャラクターがより際だって会話が活き活きしてる。噺に奥行きがあるというか、見える景色がカラフルというか。与太郎がお馬鹿というよりピュワーな人に見えてなんだか可愛らしい。普段の寄席の出番でもかけてほしいなあ。「20年ぶりにやる」というのにあんなに出てくるものなのね。曰く「前座の頃に覚えた噺というのは忘れない物なのだけど、自分は前座時代に覚えた噺が極端に少なくて」とのこと。ここで生着替え。

喋りながら今まで来ていた水色の小紋と卵色の羽織をそでに投げて、代わりに蜜柑色の着物に袴を着用。あの蜜柑色の着物で半襟が黄緑だと、本当に全身蜜柑テイスト。座り直して二席目。「花筏」は喬太郎さんに習ったそうだ。「ああ、もうすぐ独演会なのに!」と誰かに何かと思ったSWAの時、隣を見たら白鳥さんで「こいつは違うな」と。「彦いちってのもちょっと違うなあ」と喬太郎さんに「なんか教えて」と習ったそうだけど、話し終わって、

喬太郎「…これあんまり面白くないかも」
昇太「先言ってくれよ!」

とはいえ、提灯屋の困り振りは大変にお似合い。見てるこっちも顔が困ってくる。一瞬一瞬の表情の変わり具合や、言葉のタイミングがたまらない。しかしなんだか顔が随分老けて見えるけどどうしたのかなあと思ったり。終わってから足早に(いつも早いけど)何も言わずに引っ込んでしまう。

仲入り後は綺麗な紫の着物に袴。「初めてやる噺は緊張する」ってな事を。これからやるのはしょっちゅうではないけど、でもやってる噺。「だからさっきと顔が違うでしょ?」と。なるほどさっきのあの表情は緊張だったのね。確かに表情が全然違う、今の方が穏やかでチャーミング。昇太さんって疲れたり緊張したりしてると急にオッサン臭くなるもんね。初めての話は緊張するって流れでの「サゲ間際の台詞をつい昨日まで間違えて覚えていた」って告白もウケた。CDにもなっている「御神酒徳利」。今まで聞いた事のあるのと全然バージョン違い。出てくるのが八百屋さんで、御神酒徳利を隠すいきさつも違うし、サゲも違う。調べたらこれって「占い八百屋」って名前のほうみたい、まあ、どっちでも良いけど。

主人公の八百屋が調子が良くってダメ男なんだけど、出来心でお金を盗んでしまった女中の話を聞くと「なんとかしてやりたいなあ」と一生懸命悩み出す。一生懸命悩んで上手に解決するも、朝になってあまりの評判にあっさり逃げちゃうってのが、軽くていい。八百屋の困り振りや「女中をどうにかしてあげよう」という悩み振りがひしひしと伝わってくる楽しい高座でございました!

色々な所でしきりに先日のプロフェッショナル出演の小三治師匠の話をしていた今回。最後に幕が下りてきたときに流れてきたあのギターは…

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