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2008.09.24

「芸協若手会 遊雀の会」お江戸日本橋亭

若手勉強会

9月24日の事さ。開演が17時30分なんて、そりゃない日本橋亭!と思うけど、この公演は「独演会」ではなくて「寄席形式な落語会」と考えると、この開演時間もしかたなしかとちょっと納得。桃太郎師匠にすら微妙かなあと来てみると、中から「互いに見交わす顔と顔」「じゃら あ、じゃら あ、じゃら」って台詞が聞こえる、「七段目」か!遊雀師匠がまだ上がっておられるか!。静かに慌てて入場。

神田松之丞
三遊亭小笑「子ほめ」
春風亭鯉枝
三遊亭遊雀「七段目」
昔昔亭桃太郎「ぜんざい公社」
~仲入り~
三遊亭春馬「お玉牛」
ぴろき
三遊亭遊雀「紺屋高尾」

七段目の最後の最後だけ見られた。ああ、素敵な七段目な風情…。次の機会に聞けるのを楽しみにとっておくってことだ。次は桃太郎師匠。まくらは相変わらず飄々と野球の解説者、桃太郎茶碗の話などなど。何度聞いてもあの雰囲気がラブリーだ。どうも前の方にいるご婦人、あの独特の間の空気感がツボってしまったようで、後ろから見ていると終始肩をふるわせて笑っていらした。気持ちわかるよ!。師匠の「ぜんざい公社」は初だけど、似合う。淡々としている事が余計に笑えてくる。なによりヒットだったのは、あの歌。歌詞は「雨が降ったら傘さして、でも止んだら邪魔だ」とか「ひかりが行って、その後にこだまが行って」という馬鹿馬鹿しいにも程がある歌詞で、しかも合いの手が「きゅっきゅきゅーきゅっきゅきゅー」と「どんがちゃっかどんがちゃっか」。ああ、頭の中でグルグル回るよ-。たまらん。

ぴろきさんも新ネタが沢山入ってた。やっぱり私のここ最近のヒットは「パソコンに止まった蚊を退治」のネタだ。楽しいのだけど微妙に時間が長くて、ちょっと後半だれちゃったかなという気もしなくもなく。

そして最後、何をかけるのかなーと期待していると…「紺屋高尾」だー。師匠のバージョンは今まで私が聞いたののどれとも違ってた。久蔵が最初から寝込んでない。「オレ高尾と夫婦になれる!」って脳天気に思っているのに、それが無理とわかって寝込んだり、吉原に行くときのしつらえ描写がなし、おかみさんが結構ちょこちょこ登場。他にも色々。もしかしたら「幾代餅」と混ぜて覚えている部分もあるかもしれないけれど、それはよしなに。

何が一番違うなあと思ったかと問うならば-!?問うんらばー!(筋少熱覚めやらず)どうみても大人の男の遊雀師匠が、ウブーな若者に見えるのですよウブーなね。遊雀師匠がというより、主人公の久蔵がものすごく生々しいウブーな若者に見えるってとこか。他の人のよりも久蔵の気持ちが濃く感じるというか何というか。「高尾にフォーリンラブ」な若者ぶりが誰よりも前に出てるようなね。前半でしっかりそういうところが満々に出てるからこそ、最後に花魁に「おかみさんにしておくんなまし」と言われて、信じられなくて「なんでそんな嘘つくんだよぅ!」とうなだれる久蔵に「ファッファイトだよ久蔵!」って気持ちになる。本当は会うことなんか出来ないってわかっていながらも、親方とおかみさんの気持ちが嬉しくて三年働いたって台詞も泣ける。また師匠がふっとしなをつくった時に妙な女らしさが色っぽかったり。「初天神」や「堪忍袋」のような噺も素敵だけれど、こんな噺もまた素敵なのねえ、遊雀師匠は。

終演後は友人と神田駅すぐの「美味卵家」って洋食屋さんでご飯を食べる。カウンターしかない狭い店だったけど、コロッケとか唐揚げとか豚とかを遠慮なくのせちゃうオムライスとかどれも美味しそう。私はチャーシューのせオムライスを食べたけれど、非常に美味。日本橋亭の帰りとか寄りたいものですよ。

と、この辺りまではなんでもなかったのに、家に帰り一人になると、改めてじわじわと来て、いつまでも余韻が引かない遊雀師匠の「紺屋高尾」なのでした。あと桃太郎師匠の「きゅっきゅきゅーきゅっきゅきゅー」とね。極端。

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コメント

桃太郎師匠の「当たり前な歌」私の頭でもエンドレスで流れとります。
あの、やる気のない、ゆる〜い歌声が耳から離れません(笑)

夢で また会えます

‥‥‥‥(汗)

はじめてコメントさせていただきます。仕事の都合で24日の会に行くことができず、悔しい思いをしておりましたところ、こちらのBlogを拝見し、後悔の念はさらに押し寄せてまいりました・・・。うぅ、いいなぁ!

紺屋高尾に関して思いをめぐらせたご様子、わたしも遊雀師匠の久蔵が一番、高尾にフォーリンラブって気持ちが伝わってきていいなぁと思います。「ファッファイトだよ久蔵!」っていう気持も、ほんと、分かりますっ!!

高座にあがると途端にきっぷのいい親方になったり、うぶな久蔵になったり、おっとりした藪井先生になったり、くるくる七変化する遊雀師匠の人物描写もとてもよく考えられていて、楽しいですよね~。

わたしは高尾太夫の、「ぬしの正直さに惚れんした」という台詞と、あの場面が大好きです。

初コメントなのに長々とすみません。とても共感できるエントリーでしたので、失礼いたしました。

あの歌は頭に残るよねえ。
桃太郎師匠の気のない歌いっぷりが余計に。
また聞きたい♪

souslesoleil様

初めまして&コメントありがとうございます。

師匠の「紺屋高尾」の久蔵は、今まで聞いた(といってもたかがしれてはますが)誰とも違う感じがして、私も長々と書いてしまいました。
なので同じように思ってくださる方がいて、こんな風にコメントを貰えると、「書いた甲斐あり」って思えて嬉しいです。

私も「ぬしの正直さに惚れんした」という台詞のところ好きですねえ。師匠の絶妙なしなっぷりとか。

長々となんて全然お気になさらずに!
ありがとうございます。

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