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2008.03.16

「毎月文月」ゲストは柳家喬太郎

今月の「毎月文月」はゲストに喬太郎師匠をお迎えしての開催。いつもは確実に男性客が多いのに、今日は八割方女性、最前列には妙齢の女性ばかり。やっぱりあれだ、女性客が多いと別に派手な女性がいる訳ではないのに雰囲気が華やかだ。毎月ゲストの方は「さすがゲスト!」と思わす力をいかんなく発揮されて、感心するばかりなのだけど、今回の喬太郎師匠もすばらしかった。そんな今日の番組は。

ごはち亭マスター挨拶
桂文月「長屋の花見」
柳家喬太郎「提灯屋」
~お仲入り~
桂文月「壷算」
柳家喬太郎「おせつ徳三郎」

文月師匠はまくらで最近ご自分が引っ越しをしたときの話や何故に今日、喬太郎師匠をゲストに呼べてるのか?なお話を。最初は季節物の長屋の花見、後は定番の壷算。ごはちで落語会を始めてから、しかも真打ちになられてからは毎月やっている会で毎月かける噺を変えていくのはなかなか大変だとは思うのだけど(しかも毎月二席)、きちんと別の噺をやってる。こうやって毎月聞いていると似合う噺ってのも見えてきて面白いな。今日の二席なら「長屋の花見」のほうがよく似合う。きっちり古典でありながら、最近ちょっとずつはじけてくるところがあるのが面白いなーと。大変だとは思うけど何せ勉強会だもの、ファイトー。たまにはネタだしとか、ネタおろしとか、「おー」という大ネタも聞いてみたい。

そして喬太郎師匠。文月さんと行った倶知安高校の学校寄席や、家紋の事を話して提灯屋へ。初めて聞いたときは大して面白い噺でもないなあと思ったけど、喬太郎師匠がやると各所各所に笑いどころが出てくる、なんなんだ。提灯屋のキャラがナイス。一席終わって、やっぱり今日は二席やるから、そんなどーんとしたネタはやらないのかな?という微妙な物足りない感を感じそうになっていた最後の高座。まくらゼロでかけた噺が「おせつ徳三郎」。キター!おせつキター!

この噺は初めてきくのだけど、前半の「花見小僧」と後半の「刀屋」を分けてかける場合が多いそうで、しかし本日フルバージョン。前半は小僧さんの調子の良さが楽しい結構呑気な噺で笑ってばかりだったのだけど、おせつと徳三郎の仲が父親にばれたあたりからトーンが一転。徳三郎馬鹿さに呆れながらも、それでも切なさフルスロットルで、ドキドキしたり涙ぐんだりの「おせつ徳三郎」なのでした。最後の最後、うわー救いが無いー厳しいーと暗い雰囲気で終わりそうな所、喬太郎さんの声のトーンがすっと柔らかくなって「二枚の桜の花びらが…」という台詞が来て、なんともロマンチックに終了。素敵だ…。

一人の人が座って話しているのを見ているはずなのに、噺家さんとは別にもう一つ絵が見えていて、その場面場面の絵が鮮やかに切り替わり、しかも見ているようで、かつその場面に自分が入り込んで直接見ているような気持ちにもなったりする。今日の喬太郎さんの高座では、ひいた場面からパッとアップの画面に切り替わり、目線も変わるという瞬間が見えて(って私の気持ちの中でですが)、一人すげーすげー!何だこれ!と興奮した。説明が下手で何が言いたいのかわかりずらいと思うのだけど、なんかこう一人の人が話しているのに景色が見える。そういう感じ。こういう高座にあたると落語ってすごいとしみじみ思う。いいもん見たなあ、ほんといいもん見た。

今年はまだ三月半ばだけど、今日のように「うわー!」って高座がいくつかあって嬉しい。そんだけ見ていて、いくつかなのかよと思うかもしれないけれど、基本的に何を見ていても楽しいけれど、びっくりするぐらい心にドカン!とくるのはそんなにしょっちゅうじゃないよね。

その後は打ち上げ(喬太郎師匠はお忙しい事でお帰りに)。私がごはち亭に行き始めて一年弱、一番女性率の高い打ち上げだった。やっぱり女性が多いと雰囲気が違う。お行儀の悪いトチ狂ったような人はいなく、皆大人の女性だったので、でも明るくノリも好く、きゃーきゃーとまるで長屋の井戸端会議のような。皆様いい感じな普通の女性なのに「七重八重 花は咲けども山吹の~」の句をすらっと言える人ばっかりで笑った。あと「えーあの会にいたんですか!?」って方に会ったりとか。世の中って狭い。

普段より早く始まったにもかかわらず、終わりはいつもと同じ時間。大変な長丁場の「毎月文月」なのでした。

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コメント

ほんとによく聞きに行ってるね。時々ブログ読ませてもらってます。
喬太郎さんは私も好きな噺家さんですよ
先月、私の勤めている埼玉県草加市の寄席にいらしたの
同じお話でも、喬太郎さんのはパワーアップって感じでいいのだ・・・
またどこかでコムさんにお会いできたらうれしいわ
そろそろ桜も話題になる季節。寄席もあちらこちらで行われるんでしょうね

くろうさぎ様
こんにちは。
喬太郎さんは、いつ見ても変化があって本当に素敵な噺家さんだなあと思います。あれだけ高座を勤めていて、かつ進歩していくなんてすごい!
花見のネタが満載だった季節も終わりそうですね、
でもすぐに「青菜」と「幽霊」の季節!

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