« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »

2007.09.30

日本橋亭→下北沢CAVE BE

何せ朝が弱くて、おまけに出かける時にはどうしてもご飯を食べてからじゃないと出られなくて、開場に10分ばかり遅れて入ったら、今日のお目当ての馬治さんの高座が始まってた。ひゃー、ゲストなのに一番目かいな!、いや、ゲストだから一番目か。もそもそと入って腰を下ろすと、あー始めて聞く噺だー、「不精床」でした。

途中からだったけれど、馬治さんに良く似合っているような気がしたな。妙に正直な客や、頑固な親方の飄々としてとぼけた感じがいい。元結をはじく(切るじゃなくてはじくっていうのね)仕種が、さり気ないけど印象に残る。あー最初から見たかったなー、惜しい事したなーと、自分の朝の弱さにがっくり。

今日のこの会は、馬生師匠が落語を教えている生徒さんの発表会のようなもので、最初に馬治さん、最後に馬生師匠で、その間はずーっとその生徒さん達の高座。今までの私なら馬治さんを見たらさっさと帰っていたけれど、ここはあれ、入り口ではチケットを譲っていただいたし、最後には師匠も出るし、ロビーでこれから出る方ともお話したし、ここはあれだ帰るのはいかんだろと思い、最後まで見た。素人さんながら思いのほか上手な方もいてびっくり。色んな趣味があるものだなあと思った。

終わって渋谷の東急百貨店に行き、「大・上方落語展」を見る。かわら版にくっついている割引券のお陰で無料で入れた。割引券って、ページの角を切っただけだけど。中でやっている落語には間に合わなかったけれど、笑福亭生喬さんのお囃子講座には間に合った。軽やかなお喋りで、江戸と上方のお囃子の違いなんかも話してくださって楽しかった。展示してある昔のチラシや、上方の前座さん(桂三四郎さん)の一日紹介ビデオや、ネタ帳も興味深い。ネタ帳に「どんな噺だよ!」っていう題名もあって面白かったのだけど、メモをしてくるのを忘れてしまった。あと「長頭廻し」って書いてあってウケた。それじゃ間違ってない事になっちゃうよ!。ビデオで見た三四郎くん、可愛いけど長い髪はちょっと暑苦しいぞー。

ぐるーっと見て、今度は下北沢CAVE BEに向かう、初kulie-alorとISSAYさんを見る訳なの。入り口でお友達と合流して下手前の方での見る事となりました。

始めてみるkulie-alorと、久しぶりに見るヒロシくんが楽しみだった訳だけど(じゃあさっさとライブに行けよ!って話だが)、んーやっぱりヒロシくんは素敵でございましたよ!。派手!という訳ではないけど、音の密度が濃くて軽やかでねえ、聞いていて気持ちがいい。目立ち過ぎずに、でも耳に印象深い。でもってあのチャーミングなルックス。いないなあ、やっぱり他にはいないなあと、ヒロシくんの良さを久しぶりに満喫。そしてヒロシくんはさすが関西出身!ナイス突っ込み、ナイスMC。あの笑顔であのMC、グーベリグー。つかヒロシくんはあれか、年とかとらないのか。いつまでも変わらずあのオシャレさんぶりなのか。

このバンドはタカさん(今さら書くまでもないかもしれないけど村上孝之氏だ)がギターボーカルなのだけど、タカさんのボーカルは技術的にはまだまだといえば、まだまだだけど(えらそうな事を…)、少し頼り無さげなボーカルも、あの派手なアクションも、花のかんばせからは想像も付かないボケボケMCも、タカさんらしいといえば、すごくらしいし、ああいうギターが弾ける人(ギター的にもアクション的にも)ってのはなかなかいないから、あのままでずっといてほしい。バンドの音は、私の趣味的にはもう少しハードでもいいかなあと思うけど、「あ、いいな」って曲があったし、好印象。つか、正直久しぶりのヒロシくんに気をとられてしまい、どんな曲があったか…。いや!でも聞き心地のイイ曲が多かった。聞けば聞く程染みてくるタイプの曲なんじゃないかな。

ところであの一人いる女子のカッコはどうにかならんもんか。フロントの男子二人とテイストが違い過ぎるぞー。ヨーロピアンな二人に、アメリカ合衆国ってな違い。妙に胸を強調した衣裳もあのバンドの曲にあまりあっていないような気が。全員が個性を出し切るのも有りだけど、衣裳で個性をだすのは、音で納得させてからなのですよー。

次はグラマラスハニー。若いなー若いなーという印象。グラマラスハニーという名前程グラマラスではなかったけれど、ギターの子が可愛かった。お客さんがすごく楽しそうにのってた。

最後はISSAYさん。何ででてくるのかなーデ○ルジベットなのかなーと思ったらねえ、デルジベットでしたよ。意味のナイ伏せ字。ISSAYさんご自分で最初は「reD biteZです」と言っていたけど、後半で「DER ZIBETです」って。あ、言っちゃった!。まあ言っちゃったもなにも、ステージにいる人がどうみてもDER ZIBETだっていうね、そういう事。「待つ歌」とか「マンモスの夜」なんてありつつも、新曲が3曲もあり、アンコールもあり、もう充実のライブでございました。待てばDER ZIBETが見られるのだもの、SOFT BALLETかって再結成したし、デュランデュランだってオリジナルメンバーで来日したし(20年かかってるけど)、いつかまたイエローモンキーが見られるのかなあなんて思った。ISSAYさんはあいかわらず人間離れしたカッコ良さ。やっぱりあれか血とか吸ってるのかな…

楽しいライブの後にも、かなり嬉しい事があって、それはもう大御機嫌さんで下北を後に。来月のライブも予定を調整して頑張って行こう!と思ったのでした、単純すぎる!

2007.09.22

末廣亭では「三笑亭夢楽を偲ぶ会」

遅めに起きたのに天麩羅を揚げてご飯を食べていたら家を出るのが遅くなって、開演時間に間に合わない、そんな末廣亭。揚げたての天麩羅やフライというのは、少々出来が悪くたって美味しいよね。でもって末廣亭は、入ったら前座のA太郎くんでした。彼の話が終わって、すかさず前に移動しての本日の末廣亭は、代演と出順変更の嵐でございました。人を思うと書いて「偲ぶ」、いい言葉だなあと今書いていて思った。そんな末廣亭は、

昼の部「三笑亭夢楽を偲ぶ会」
昔昔亭A太郎
三笑亭可女次「やかん」
松旭斎小天華<奇術>
三笑亭夢花「湯屋番」
古今亭寿輔「生徒の作文」
東 京太・ゆめ子<漫才>
橘ノ円「長短」
遊三「ぱぴぷぺぽ」
林家今丸<紙切り>
三笑亭笑三(主に交通安全ネタの漫談?)
三笑亭可楽(主に相撲ネタの漫談)
檜山うめ吉<俗曲>
桂米丸(主に映画の話、これも漫談か?)
〜お仲入り〜
座談会(司会は楽輔、夢太郎、他に米丸、笑三と玉置宏さん)
玉置宏(懐かしの歌謡番組の思い出話を)
一也<相撲漫談>
三笑亭夢太郎「目黒のさんま」
ボンボンブラザーズ<曲芸>
三笑亭茶楽「三方一両損」

夜の部
桂ち太郎「強情灸」
神田きらり「愛宕山」(講談)
D51<コント>
春風亭柳太郎「結婚式風景」
桂平治「源平盛衰記」
宮田章司<売り声>
桂南なん「大安売り」
桂伸治「牛ほめ」
北見マキ<奇術>
三笑亭遊之介「浮世床」
三遊亭栄馬「酔っぱらい」
〜お仲入り〜
桂右團治「熊の皮」
Wモアモア<漫才>
瀧川鯉昇「粗忽の釘」
桂歌春「垂乳根」
春風亭美由紀<俗曲>
柳家蝠丸「お七の十」

深夜寄席
神田きらり(宮本武蔵の話、うう、講談の題名が全然わからん)
瀧川鯉橋「だくだく」
瀧川鯉太「転失気」
柳家小蝠「死神」

んー40組。感想は月曜日にでも。今日はもう力つきたのでこれにて退散。一日落語を満喫して、日記は筋少を聴きながら書くよ。ぼよよーん!

2007.09.19

親を泣かせてはいかんよ。

夢でだけども。

今朝見た夢で、私が父親を泣かせていた。朝はそうでもなかったのだけど、時間が経つにつれてすまない気持ちでいっぱいになり、もう暗くなる頃には後悔の念の固まり、あー申し訳ない事をした、とんでもない事をしたとう気持ちで、随分と凹んでしまった。夢で泣かせただけでこんなにも落ち込むものなら、実際に親を泣かせたら、それはもう「切腹で!」のレベルになりかねないんじゃないのか…と色んな意味で自分の気持ちに驚いた。ちなみにどんな理由で泣かせたかといえば、父親がもっさいテレビを買ってきたから。それを鬼の首をとったような勢いで「なんでそんなテレビ買ってきたの!すぐ電話をして変えてもらってきて!」と怒ってる。

そんな理由で!
つかアタイの父親はそんな理由で泣きますか!?

昔は色々と小言をくらってばかりで、父親=恐い人だったけれど、私も大人になり父も年をとり随分と丸くなったので、もしかしたら小さな事で涙する事があるかもしれないなあと思うと(テレビではないだろうけれど)、親は大事にしないといかんなあと思うのでした。思わず電話の話し声も優しくなるというものよ。

いいから早く結婚して、孫の顔でも見せてやれって話ですか。

2007.09.18

家に帰って。

ポチッとテレビを付けて聞こえた第一声が「文七元結がー」だった、すごいタイミング。まあ、歌舞伎の「文七元結」を山田洋次監督が映画化するというニュースだったのだけども。「文七元結」って圓朝が作ったものじゃないの?。それともそれが歌舞伎になったものを映画化するということ?(ややこしい)。

3連休あけの火曜日、ちゃんと仕事に行けただけでも及第点、残業したから「よくできました!」だ。JーWAVEのグルーブラインでも今日のテーマが「やるきがありません」でしたし。やる気が出ないのが自分だけじゃなくてホッとした。

やる気があろうとなかろうと、職場に行けば働くって話よね。

2007.09.16

末廣亭中席は落語協会

今日は末廣亭〜。昼の部の仲入り前に入ったのだけど、一階満席!「お二階になりますがよろしいですか?」と言われるも、取りあえず直に仲入りだったので、しばらく立って見る事に。特別な番組じゃなくても一杯なんだなあと感心。入った時は満席だったけれども、結構人の入れ代わりもあり、下手桟敷を将棋の駒のごとくじりじりと前に進み(もちろん仲入りの時とかのみ)、夜の部が始まる時には、桟敷の一番前で見る事となりました。

昼の部(途中から)
太田家元九郎<津軽三味線>
金原亭伯楽「猫の茶碗」
〜お仲入り〜
橘家文左衛門「道灌」
ぺぺ桜井<ギター漫談>
入船亭扇橋「弥次郎」
柳家さん生「湯屋番」
アサダ二世<奇術>
三遊亭歌武蔵(相撲漫談)

夜の部
柳家小ぞう「真田小僧」
五街道弥助「子ほめ」
近藤志げる<漫談>
林家彦いち「ドキュメンタリー落語」
隅田川馬石「金明竹」
林家正楽<髪切り>
桃月庵白酒「ざる屋」
柳家小満ん「宮戸川」
花島世津子<奇術>
古今亭志ん橋「手紙無筆」
橘家圓蔵「反対俥」
〜お仲入り〜
柳家小衰治「犬の目」
ロケット団<漫才>
桂文楽「看板のピン」
柳家権太郎「町内の若い衆」
仙三郎社中<太神楽>
五街道雲助「死神」

代演で御出演の文左衛門師匠、「そんな冷たい目で見ないで下さいよ!休んだ人が悪いんですから!」と。私は代演で嬉しかった派だ。ぺぺ桜井さんの「ハーモニカを吹きながら歌う」は何度見ても爆笑、私の心を釘付けに。馬鹿馬鹿しいったらないのだけど、そこがいい。曰く「私の芸に深みはありません!」、名言名言。皆にも見て欲しいなあ、歌いながらハーモニカだもの。歌武蔵さんも代演。噺はせずに相撲漫談で終了。ええートリなのに漫談で終わりー?とも思ったけど、相撲ネタがこんなにタイムリーな時期も多くないだろうしと思うと、まあいいかなとも。いつもより長い分、色々知らない話が沢山聞けて面白かったですし。

夜の部から桟敷の一番前に座ったらクーラーの風がごうごうと直撃。ショールをもってきてこんなに大正解な日はなかった。前座は小ぞうくん。高座返しをしている姿は、ちょっとしょぼしょぼしてて元気が無さそうにも見えたけど、話は思いの他元気でハキハキしていて聞きやすい。金坊が良く似合っていて可愛らしかった。

弥助さんたら、こういう寄席でみると、いつも以上に背が高くてひょろひょろした印象、おまけになんか元々色がお白いのにいっそう白くなったような(お、子誉めの逆だな)、つか色が抜けてるよ弥助さん!。弥助さんは声はいいし細くて長い手が綺麗に動くのが素敵。彦いちさんは袴姿で登場。SWAで見るのとはなんだか少し雰囲気が違うような気がするようなしないような。彦いちさんは「あ、そこの目を付けますか!」という所があって、楽しいというか感心する。今日のヒットは、電車の中にいた若者が「ッザケンナヨ!」となんども叫んでいると言う場面を話していて、「彼はしきりにザケンナヨ!と言っていますが、これだけはわかる訳です…、誰もふざけてなんかいないのですよ」と。これ書くと対したことない風に聞こえちゃうけど、話の中の流れで聞いた時には「ほう!」と膝を打ってもいいくらい感心した。体育会系なのに、なんだかほよんとしていて、噛んで含めるような話し方がチャーミングだ。あ、そういえばその話の流れで、「誰もふざけてなんかいない訳です、どう見ても四十ニだ、なんてふざけたりはしていない訳です。あ、さっきの彼は(前に出た弥助さんの事だ)別にふざけていっていた訳じゃないですけど」とも。ははは、文章にするとつまらんが、流れの中で聞くといいテイストなのですよー。彦いちさんの株がグッ上がった。

馬石さんの「金明竹」は、いきなり加賀屋佐吉方の使いがきた所から。馬石さんは動きが(というか佇まい全体が)柔らかくて素敵だ。おかみさんが可愛かったな。正楽師匠は、今まで見た中で一番自分にピンときた、なぜかは不明。何度聞いても「しょくぎょーびょーです」の台詞で笑ってしまう。始めてみた白酒さん、太った人が苦手な私でも、なんだか好感を持ってしまうような全体の印象、やわらかくてほんやりした感じ。ほんやりなんて日本語はないですか。「ざる屋」というお噺は初めて聞いたのだけど、呑気でいい噺、良くお似合いだと思う。世津子さんは、物凄く上手!という感じではないのだけど、私の中で妙に好印象。「なーんだダメか」と一瞬思わせて、広げると当たっているというあのカードのマジックはびっくり。なんで当たるの?!。

ロケット団はいつみてもナイス!。あの早いの早くないのっていう、切れのイイ突っ込みが好き。回転が効いてるしね。三浦さんの妙なテンションの高さとモニョモニョぶりに、倉本さんが言った台詞がいい「お前夜の部だと妙に飛ばすなぁ!」。芸協なら陽昇、落協ならロケット団だ(その次はナイツと笑組)。文楽師匠は、良く出てくる「若者がどーのこーの」っていう愚痴っぽいまくらがなくて、かなりすぐ噺に入られて、あれ、これだと特に嫌な印象がないなあなんて思った。あのお顔のせいか「思う所あって42でつぼをおいた」御隠居がとてもお似合いでしたし。権太郎師匠の「町内の若い衆」は初聞き。長い噺も良いけれど、こういう明るくて短い噺をぺろんとやる師匠も素敵だなあと思った。

仙三郎社中の仙三郎さんの急須がまわるのは、何度見ても感嘆の声が出る。棒の上で、急須がクルクルまわっちゃうのですよ!。すごい芸を見ると、自然に拍手が出る。仙三郎社中は、皆様のかけ声とポージングのおかげで(必ず芸が出来上がった瞬間に「はいっ!」のかけ声と共にポンと手を打つ)、拍手がしやすい。メリハリがあるのだな。そしてトリは五街道雲助師匠の「死神」。雲助師匠もまくら短いな。えらい短いバージョンな死神だった。嫁と子供を追い出したり、上方に行ったり、身を持ち崩したりの場面がなくて、最後はくしゃみで蝋燭の火が消えてしまうというサゲ。時間も思いの他短かめで、せっかくなのだもの、もっとじっくりみっしり聞きたかったな。とはいえ素敵は素敵。押し付けがましくないのが好み。

6時間近くいたけれど、あっという間の末廣亭なのでした。そして出てそのまま深夜寄席の列に並ぶ。(続く)

2007.09.14

柳亭市馬独演会

武蔵小山のagainでね。開演ギリギリに開場に入ると、こはるちゃん曰く「せまっくるしい」会場内は人でいっぱい。隅から隅までお客さんがいっぱいの状態、一番後ろの席で見る事ととなりました。

立川こはる「道灌」
柳亭市馬「金明竹」
〜お仲入り〜
柳亭市馬「御神酒徳利」

市馬師匠は寄席ではお見かけしているけれど、こうやって独演会形式のものを見るのは始めて。一席目のまくらでは、しきりに「こんな所で落語を…」な話から始まって(コンクリ打ちっぱなしとか、狭さとか、カフェ的なところが驚きの御様子)、こはるちゃんが店の事を「せまっくるしい」とか、道灌の中で「ハゲ頭」とかポンポンいう事に対して「前座がせまっくるしいなんてねえ…(笑)。ハゲ頭とか…。私が教えるんだったら、もう少し丸く教えますけどねえ。そこは談春の弟子ですからねえ(笑)」なんて話をしつつ、小さん師匠との思い出を色々と。落語の稽古はしてもらわなかったけど、剣道の稽古は沢山した。剣道で範師をもらった時の師匠の喜びよう、小さん師匠が「道灌を教えてやる」と言ってはくれたものの、いつになったら教えてもらえるやら。でも前座の勉強会で何かやらないといけない、ってところで兄弟子のさん喬師匠がこの話を教えてくれた。なので柳家は最初は「道灌」なのだけど、自分は珍しく違う噺、今日はその最初に習った噺を…と「金明竹」

んーこれが真打、というか市馬師匠レベルの人の力ってものですか。ただ一生懸命かまずに話す「金明竹」とは全然違うなあという感じ。与太郎は度が過ぎない丁度いい具合にチャーミングだし、「わて加賀屋佐吉方から参じました〜」で始まる長い台詞もメリハリがあって聞きやすい。雨が降ってくる場面では、すかさずさっきのこはるちゃんがやった道灌の台詞を混ぜてみたり、とても楽しい金明竹でした。あ、さん喬師匠から教えてもらってという話の時に「始めて教わったのは文七元結で…ってそんな事はない訳ですが(笑)。」って台詞にお客さん大笑い。

お中入り後は「御神酒徳利」。馬喰町って所は今でもあるけれど、馬喰横山って駅が出来た時は驚いたってな話をまくらに。短かめのまくらで噺に入る。どのキャラクターも良いのだけど、善助のおかみさんの軽さが妙にヒット。軽くって呑気で、でも亭主の事を思いやってる感じがいい。やっぱり誰がやるかで登場人物の性格(というか際立ち加減)が違うなあと思った。しかし市馬師匠の高座は朗らかで、声が通って良い声で楽しいなあと、改めて感じた独演会でしたとさ。

ナーイス。

2007.09.12

オイスターソースって永遠だよね。

この言い回しは、GRASS VALLEYファンならわかってくれるのではないかと。

野菜+肉をニンニクや生姜をきかせて、ごま油で炒めて、オイスターソースで味付けすると、大体美味しく出来上がるよね。後はその時の好みで、豆板醤とか、ラー油とか、醤油とかなんでも好きなものを追加して味を整えて出来上がり。とろみをつけるとなお良し。

今日はもやしとネギとひき肉で作ったが、我ながら美味しい。でもってこれをね、ご飯にのせるとね、美味しいったらない訳で。自分で作ったご飯を自分で誉めながら食べる。夜のおやつは実家から送ってきた二十世紀でね、これがまたみずみずしくって美味しいったらなくて。一個なんてあっというま。

もう食欲の秋か。

2007.09.09

上野広小路亭6〜10日昼の部

伸治師匠がトリなので、上野広小路亭に行く。しかし落語を見に行くようになってから神田乗り換えが増えたな。出る時にちょっともそもそしたせいで少し遅刻、開場に入ると羽光さんの高座が始まっておりました、途中で入ってゴメンナサイ!。そんな広小路亭はこんなふう。

笑福亭羽光「手紙無筆」
桂ち太郎「強情灸」
昔昔亭桃之助「たらちね」
昔昔亭慎太郎(子供の日記を読む噺、動物園と嘘を付いて競馬場へ、ディズニーランドといって花やしきにつれて行く、そういう噺)
Wモアモア<漫才>
桂歌蔵「かぼちゃ屋」
三遊亭遊之介「うなぎの幇間」
翁家喜楽<太神楽>
三笑亭茶楽「宮戸川」
〜お仲入り〜
笑福亭和光「ぜんざい公社」
国分健二<スタンダップコメディ>
桂小南治「青菜」
三遊亭右紋「ばばあんち(漫談)」
やなぎ南玉<曲独楽>
桂伸治「ちりとてちん」

ひょろっひょろの若者だけど、声は思いの外大きくてはっきりしてて聞きやすいち太郎くん。ち太郎くんの強情灸は、最後の馬鹿みたいに大きな灸をのせた後の動きの派手なこと派手なこと、若さか!。羽光さんは、そういえばいつ見ても余り表情に変化が無いかもなあという事に、今日何となく気がついた。前座仕事が大変なのかな。とはいえ羽光さんの話すトーンは好みなので聞きやすい。高くてキンキンした感じじゃないのがいい。今日はずっと高座返しを羽光さんが担当。

茶楽師匠は女性が出てくる噺が聞きたいなあと思っていたら「宮戸川」、ラッキー。見た目はどうみてもおじ様なのに、お花も半ちゃんもとてもキュート。あれはなんなのかしら。後半いい所でかみかけてたのが残念。雷が鳴ってお花にしがみつかれた半吉が、我慢限界!って感じで胸元に手を…という所で「前にお子さんがいるのでこの辺で…」とおしまい。ナイス。茶楽師匠のあのなで肩のこじんまりとした高座の座り姿が素敵だ。

タイミングが悪くてちょっと見る機会がなかった和光さん。久しぶりに見たけどやっぱり楽しい高座。突っ込みの台詞がいい。低姿勢ながらも、突っ込みは派手でテンポが良くて楽しい。和光さん又見たいな。関西弁が苦手じゃない人は是非に。1年見たことが無かったのにここ10日で2度もお見かけの喜楽師匠、そういうものか。この前の「卵落とし」もホホーッ!と関心しまくりだったけれど、今日の噴水になるのも素敵だ。バチの上に湯飲みを置いて、その中に水を少し入れてくるるーっと回すと中から噴水の様に水が跳ね出すという芸。夏にお似合い。Wモアモアさんの話に出てきた「虫おさえ」という言葉、私も知らなかったですよ。いい言葉ね「虫おさえ」。

そしてトリの今日は紺の着物で登場、渋い。まくらは文治師匠のお話で、ヨイショが上手な方が得をしますよねえという流れで「ちりとてちん」に。前の方にいた子供がヨイショの意味を知らなさそうなのを見て「こんな風にね…」と大きなアクションを交えて説明。伸治師匠のちりとてちんは、何度聞いても楽しい。ちりとてちんのとんでもない臭いを嗅いだ瞬間の、あの微妙な間と表情がナイスなのです。「今日のお客さんはあんまり笑わないような気がするなあ…」と思っていたけど、伸治師匠の時は盛り上がってた。私の近くにいたおじ様は「この辺がモノで、この辺がシリ」にえらいウケてたし、後半相当飽きていた子供も、楽しそうに見てた。さすが師匠。

高座は楽しかったけど、お行儀の悪い人が多くてちょっと残念。高座に乗らんばかりに足を上げている人や、携帯のカメラで写真を撮る人や、噺に入っているのに喋っている人や。しかも19、20の子供ではなく、40過ぎた様な男性だ。落語ってくつろいだ気分で見たいからずっと正座をしていろという訳ではないけれど、限度ってあると思う。大人の男たるもの下の者の手本になるべく行動を取ってほしいものですよー。その後は素敵な紳士のお誘いを受けて、涙が出るほど辛いカレーを食べたり、お茶をしたり、不忍池を眺めながら、根津神社やへび道を通って谷中まで歩く。いろんな事を知っている方のお話を聞きながらの散歩はとても楽しかったのでした。途中の谷中のあたりで三味線の音が聞こえてきたりしてね。今日もいい日だ、ありがたい。

ちなみにその辛いカレー、食べた端からお腹を直撃する威力。ものすっごい辛くて食べている時は必死だったけど、一日明けてみると「んーもう一回食べたいなあ」と思えてきたのがあら不思議。あれだけ辛いと食べるというのもスポーツの枠に入りそう。

2007.09.08

落語見てライブ見て。

場所を間違えたかと思ったのよー、の銀座の長寿庵。行ってみたらチラシも特に張っていないし、店は準備中だし、おりゃこれはアタイやっちゃったかしら!と思ったけど、大丈夫、間違っていませんでした。お蕎麦屋さんでの二階での落語会。

駒ん奈「厩火事」
金原亭馬治「あくび指南」
金原亭馬吉「八五郎出世」

馬治さんのあくび指南は初めて聞く。今まで何人か聞いた中で、一番わざとらしくないあくびだったな。あくびがお上手っていうかね、あくびに違和感が少ないというかね。習い行った男がなかなか上手くできない所を、あまりくどくやらないものいい。何に関心したって、お風呂のあくびをやるときに、手拭いを頭にポンとのせてるのだけど、これを終わって手で取るのではなく、あくびの流れで両手を合わせて念仏を唱え最後
に頭を下げて、その時に頭からすっと落ちてくるのをさりげなく受け止めて、そのまま手拭いを下にもっていった一連の仕草に関心。スムーズ!。甘いか、私は馬治さんにいか。

馬吉さんの「八五郎出世」、これも初めて。あれなのね「妾馬」なのね。黒の紋付きが大変に凛々く、噺もピシッとしていて格好良かった。格好いいけど、兄貴のちょっと情けない喋りぶりもお似合いだ。酔っぱらってお殿様には妹をお願いしますと、妹には出過ぎたらいけない、皆にかわいがって貰えと話す場面は、ちょっとほろり。お二人のキャラクターも噺も全然かぶっていないので、お互いが引き立ったのじゃないかなあと思ったり。

お客さんの中に二十歳そこそこ位のお嬢さんが数名いらしたのだけど、あの子達は今日の落語を聞いてどう感じたかしらん。見慣れない着物姿で、男前で凛々しくて楽しい二人を見て「カッコイイ!」とか「落語面白い」なんて思ってくれたらいいなあと思った。しかし駒ん奈さん、駒ん奈というか荻野アンナさんな訳だけど、なぜに落語をやろうと思ったのだろうか。上手いか下手かつったらそりゃ下手なのだけど、そんな出来はさておき「なぜに馬生師匠の所で落語を…」とそっちのほうが気になった。美人さんでした。金原亭をつけて良いのかわからなかったので、上記の表記にいたしました。

その後、おそばを食べてからKABUTO に移動して中シゲヲグループ見る。もしかしたら始まっちゃってるかなあと思って入ると、前のバンドのラストの曲。間に合って良かった!運がいいな自分。メンバーは前回と同じで、中さん、ナオタカくん、酒井さん、SENさん。えらいもさもさした髪型で、酔っぱらっているのだが疲れているのだか、どっちにしろ少しよれっとした見てくれで登場の中さんだけど、ギターを弾き出すとそりゃあもう貴方!。前回披露しそびれた新曲をやったのだけど、これがカッコイイカッコイイ!。前回から二度目の披露になる新曲も素敵で、改めて中さんのメロディーメイカーとしての資質と、アレンジのセンスの良さに脱帽。颯爽と走り抜けような軽やかなギターに、80年代を思わすような渋くて激しくて、でもちょっとしっとりと切なげなメロディで、もう、中さんすばらしい。音源にしてくれーCDで出してくれーとしみじみ思う。

おなじみの「パイプライン」は80年代刑事ドラマの主題歌になりそうな素敵アレンジ。ちょっといなたい感じがカッコイイ。もちろん他のどの曲も素敵で聞いていると張り込みすぎて息が詰まる。すばらしい演奏とは裏腹にだらだらなMC。パフィーではこのメインギターも使えず、アームも付いてないようなギターで弾いてるとか、サーフも来年には活動出来たらとか、NSGでレコーディングしたいなあとか、SENさんがマラソンに出るとか、酒井さんの曲がジャンプ連載のアニメの主題歌になるとか、だらだらと。2バンで時間は長めだったはずなのに、思いの他あっというまにアンコール。今日はアンコールは「ミザルー」1曲。1曲とはいえ「ミザルー」いいよなあ。思わず手が上がるが、着物だったのでえらい袖がまくれちゃってはしたなかった。まあ、私の袖なんて誰も気にしてはいないだろうけどもねっ!。NSGのライブは今年はこれでお終いだろうとのお知らせは残念、大変だろうけどボチボチやって欲しいものですよー。

カッコイイ中さんを満喫して、握手までしていただいて銀座に戻って飲みの席に混ぜていただく。次から次へと出て来る楽しい話に笑いっぱなし。夜の銀座をニコニコと袂をふりふり帰るのでした。

2007.09.06

台風の中でもアゲイン寄席

絶賛開催中。

やるのかなあ、いや、やってもお客さんは来るのかなあと思いながら開場に着くと思いの他いらして驚いた。この台風が直撃しようかって夜に落語を聞きに来るとは、自分も含めてなんと物好きな。そんな猛者の集まった武蔵小山Live cafe aginでの落語会はこんな感じ。

三笑亭夢吉「元犬」
三笑亭可龍「幾代餅」
〜お仲入り〜
三笑亭可龍「宗論」
三笑亭夢吉「真田小僧」

夢吉さんは若者感溢れる高座。自分の勉強会が台風にあたるなんてって事から、始めて飛行機に乗った時に騙された事、さっきまで広小路亭に出ていたけどお客さんが二人だった事、電車に乗った時に遭遇した親子の事などなど無理のないまくらばかり。変に噺に関係したことをまくらで話そうと思うと、違和感のまくらになりがちだと思うので、噺との関係性を気にし過ぎて無理矢理感のでるまくらより、夢吉さんのように素直に自分の事を話している方が印象がいいなあと思った、特に若い噺家さんは。

元犬は人間になったシロの気持ち悪い度が高い元犬。また夢吉さんがいう「気持ち悪いよ!」の台詞が、本当に気持ち悪そうだから余計に。シロの吠えっぷりが可愛かった。「たくわんは食べた事無いです、ビタワンなら…」の台詞にウケた。真田小僧は「話してやるから一銭出しな」の先までのフルバージョンで。最初に父親に小遣いをねだる小僧がこまっしゃくれつつもとても可愛い。夢吉さんに良く似合ってる。「こんな7分もかけてお願いしてるのにぃ〜」。7分もねだる男。よく考えたらサゲまでやってこそ「真田小僧」の題名の意味がわかるのだものね。こういう会ならではの真田小僧フルバージョンでした。夢吉さんは「元犬」にも実は続きがありまして…と噺をしてくれた。なーるほどね、だ。

可龍さんは初体験。ブログは読んでいたのだけど、ナリの割には堅そうな人なのかなあ、高座もガッチガチだったらあれだなあと思っていたけれど、そこまでじゃなかった。かちっとはしているけれど、堅物過ぎる印象はそれほどなく、幾代餅でぴしっと聞かせたせいか、宗論でのおバカぶりが引き立って楽しく聞けた。幾代餅の「あっしは野田の醤油屋の若旦那じゃないんで…」と告白する所の清三がとてもお似合いで、私ちょっと目が潤みましてよ。宗論は番頭さんが止めに入る前でサゲ。たまに入るクスグリが馬鹿馬鹿しすぎてヒット。朗々と賛美歌を歌う声がイイ声でございました。

この日はお客さんの9割りが女性という落語会ではきっと珍しい状況。「これって可龍さん効果なのかなあ」と思った。確かに今風のルックスに、薄い若草っぽい着物、淡い桜色の羽織りなんていう姿はモテそうですし。まるっきりテイストの違うお二人がじっくりニ席ずつ聞かせてくださった楽しい会でございましたとさ。

終了後にお二人とお客さんでの打ち上げがあったのだけど、お客さんから質問をされると、その人の顔をしっかり見ながら丁寧に答える可龍さんが印象的でしたとさ。あと、ものすごく美味しそうにご飯を食べる夢吉さんも。ああやってご飯を食べてくれる人には、ごちそうしてあげたいなあと思うから、きっと夢吉さんは色んな方から食事に誘っていただいているのではないかと(夢吉ブログの7割りくらいは「今日は〜さんにごちそうになる」で始まるのですよ)

台風が来ても落語会。

2007.09.05

落語本を買い始めたら。

もう駄目だ。

私はデータおたくではないけれど、落語を見ていると知っておきたいなあという事もちょこちょこ出てくる。今までは図書館で借りて読んでいたけれど、こうね、手元に置いて何度も読みたいなあとか思い出してきた今日この頃。そして入った「猫の手」になぜか置いてある文我師匠の「落語通入門」。ざっとめくってみると、そんなにちゃらちゃらしてもいないし、上方に寄りすぎた内容でもなかったので買ってみた。通勤の時に読むのが楽しみ。西荻やその近辺の駅には古本屋が多いので、古い落語の本なんかもありそうかもよう、と思ったり。

台風が来ると気圧の関係なのか妙にそわそわ。

2007.09.02

池袋演芸場上席(芸協の巻)

宅急便を受け取りのため朝出られず、早朝寄席は断念、文月師匠が休演とのことで、池袋を頭からも諦める。ちょっとがっかりなのだけど、クロネコさんから荷物を受け取る時、着物を着ていたせいで配達のお兄さんから「綺麗ですね」と言われて超御機嫌になる。言われ慣れてないと、着物を誉めていたかもしれなくても、自分全体を誉めていた事ととらえて、素直に喜ぶ。何ごともいい方にとる主義で。

池袋演芸場の上席、昼のトリの少し前からの参加となりました。
昼の部
翁家喜楽(太神楽)
三笑亭右紋「ババアんち」(漫談)
三笑亭茶楽「明烏」
松乃家扇鶴(音曲)
春風亭小柳枝「井戸の茶碗」
夜の部
昔昔亭A太郎「権兵衛狸」
昔昔亭桃之助「たらちね」
鏡味健ニ郎(太神楽)
桂小南治「(喧嘩の仲裁が趣味の旦那の話。胴乱の幸助とはちょっと違っていて京都だかには行かない)」
桂南なん「応挙の幽霊」
D51(コント)
桂伸治「たいこ腹」
三遊亭遊三「酔っぱらい」
〜お仲入り〜
やなぎ南玉(曲独楽)
三遊亭遊雀「浮世床」
桂歌春「看板のピン」
Wモアモア(漫才)
神田松鯉「寛政力士伝より〜橋場の長吉」

今日は始めて見る人や始めて聞く話がいくつもあって新鮮。喜楽師匠の「たまご落とし」にはびっくり。落とさなくても、あの4つのコップの上にたまごを置いているだけでもすごい。小南治さん、お顔が丸くて、声が大きくて「おうっ!」って印象。なんか彦いちさんを思い出した。威勢がよくって聞きやすかったな。南なんさんは、ルックスはもう正直いったらしょぼしょぼだし(髪は寂しげ、お顔はくしゃっとした感じ)、一歩間違うと「棒読み?」な風も無きにしもに感じるのだけど、妙に聞き良かった。始めて聞いた噺で興味深かったというのもあるのかな。ちょっと冴えない道具屋が似合っていたからかな(誉めてるのですよ!)。このお二人のは他の噺も聞いてみたいな。

D51のおばあさんと警官のコントは、ちょっと古臭い設定だけど、えらう切れのいい杖での突っ込みと、関西弁のせいか私はかなり笑った。あれだ、おばあさんと警官のああいうノリって、吉本の「駐在さんが行く」みたいね。

お目当てさんは皆ステキ。茶楽師匠の明烏はすーっと流れていて、でもちょっと気取っていて、それでもくさくなくてカッコイイ。見た目はねえ小柄で髪がちょっと寂しげな、いったらオッサンなのだけど、妙にチャーミング。茶楽師匠は着物もいつも素敵。今日も青丹っぽい色のお着物で渋かった。小柳枝師匠は今日も夏の小咄(稲妻と雷様のお弁当とこたつ)を。私はこの小咄がどれも大好き。そして井戸の茶碗がまたカッコよくてねえ。小柳枝師匠もやっぱりくさくない。とんとんとーんと気持ちよく噺が進む。お侍もお似合いだけど、くず屋さんがもっとお似合い。あ、そうだ色々な物売りの声が季節を感じさせますねえと。七福神、苗、うどんやそば、大根やごぼうの売り声を披露してくださった。師匠の噺は小咄やまくらも「はー」と感心する事が多いし、噺は綺麗な映像が流れて行くような心地よさ。今日は濃い紺色のお着物でカッコイイ。

伸治師匠はこまかいくすぐりにヒット多数。「バーじゃなかったクラブ」とか「ブルーじゃなくってグリーン」。鍼を討たれる時の一八の「ベンチ声だしていこー」の台詞。伸治師匠もあれだな、さりげなくあってのが多いな。ぼんやりしてると聞き逃しそうなくらいさり気ない。あと、一八が苦手な若旦那のいる部屋に入る時。手前でさんざ嫌がってもぞもぞしまくって憂鬱な顔なのに、ぱっと部屋に入った瞬間の「若旦那〜(もみ手)」の落差に私バカ受け。いや、客席バカ受け。ああいう調子のいい感じって伸治師匠のポップさにぴったりだ。

遊雀さんは(遊雀さんは師匠というより「さん」で呼びたい気分)、まくらでの「床屋の小咄」が大ヒット。「熱いぃぃぃ〜」と座布団の上から倒れてはみ出る程の激しさ、床屋の旦那も「熱くてもてなくってぇぇ〜」と激しい。遊雀さんの噺に良く出てくる「やりすぎな男」炸裂。終わった後に「…こんな頑張ってやる小咄じゃないんですけど、好きなものでつい」と。遊雀さんの「やりすぎな男」は最初は苦手だったのだけど、慣れてくると出てくると「出たー!」ってちょっと嬉しい。出たーってお化けじゃないんだけども。あの噺は浮世床なのかな、女と布団に入ったところで起こしたの誰だー位で終わるのだけども。床屋の上で話をしている場面での石とはさみを出す手品の馬鹿馬鹿しさにやられた。そしてそこで出てきた手拭いがバク助が大きく染めてある手拭い、芸協のなのかしら。あの手拭い欲しい、芸協祭りで売らんかしら。

そして最後の松鯉先生。思うに講談というのはあれくらいのテンポの人の方が多いのね。私の講談バージンは山陽さんなのでつい「あれーこれくらいのテンポなのかな?遅くないかな?」と思ってしまう。とはいえいい声だし、ああいう「男」「仁侠」「仁義」な噺は嫌いじゃないので面白かったな。「あっしのお得意さんなんですよう」とかいいながらも一両であっさり担当を変わる船頭がナイス。男を売って歩く稼業だからって、恥じかかされた相手を討ちに行くってすごいし、それをあっさり「後の事は任せて行っておいで」という内儀さんもすごい。松鯉先生、本編に入る時に眼鏡をはずし、終わるとまた眼鏡をかけていらした。

今日も楽しい寄席通いなのでした。

が、噺に入ろうかって時に缶ビールの蓋をプシュゥッ!ってしたり、プラスチックパックをカシャカシャパリパリと音を立ててあけたり、大きな声で相づちをうったり、いつまでもペラペラじゃ喋っていたりという客が多くて少し残念。物を食べちゃダメってのはないけど、大きな音を立てたりするのはセンスがなくていかん。江戸の風情にプラスチックのカシャカシャした音は余りにも似合わない。つか、小柳枝師匠の高座の邪魔をしてもらっては困るのですよ!。私は小柳枝師匠のしてくれるお噺を、ゆっくりのんびり心地よい空気の中で聞きたいのですよう。

あ、そういえば遊雀さんの噺の最中にあの折り畳み机をバタコン!とする人がいて、すかさず遊雀さん「大丈夫ですか!これからがいいところなんですからね!」と突っ込んでいた。ごはちの時も電話がなったのを「電話がなってますけど!」と拾ってた。ああいうハプニングを上手に取り込んで、すかさずまたお客さんを噺の世界に戻さすってすごいテクニック。センスのナイ邪魔は腹が立つけど、そういうハプニングを上手に切り抜ける噺家さんの技が見られると、すごいなあと感心するばかり。

今日は着物で出かけたので、これだけ満喫しても1800円。コストパフォーマンスが高すぎな一日なのでした。

2007.09.01

成田山の不動寄席。

成田山の不動寄席に行ってきた。成田山の参道にある梅屋旅館という築100年の木造で三階建てという素敵な建物での寄席。前回も来て、その時に大変楽しかったので、我家からは少々遠いけれども参加。何せ2時間近くかかりますので、若干小旅行気分。今日もなかなかの入りで、開場時間に少し遅れた私は後ろの席だな…と思いきや、顔見知りのおじさまが「こっちきちゃえば」と誘って下さったので、座布団を持って移動。有り難い。そんな不動寄席はこんなふう。

馬治さんの太鼓講座(まだ開演前)
馬治馬吉のお太鼓講座と太田そのさんのお囃子リクエスト
金原亭馬吉「粗忽長屋」
金原亭馬生「稽古屋」
馬治馬吉の所作クイズ
茶番(すずめ踊り)
〜お仲入り〜
金原亭馬治「紀州」
金原亭馬生「七段目」

まだ客入れをしている最中に、馬治さんが出て来て寄席でお客様が入る時は〜と説明をしながら太鼓を叩いてみせて下さった。あんまり普段は噺家さんが太鼓を叩いている姿なんかは見られないので、非常に嬉しい。また馬治さん太鼓を叩く時楽しそう。

そして軽く司会の方の挨拶が入ったら、今度は馬治馬吉のペアで出て来て、二人で太鼓の説明を。
馬治「こっちに座っている方が身分が卑しくて…」
馬吉「たまたまこっちに立ってただけだろう!」
兄弟弟子だけあって非常にいいコンビネーションで楽しそう。
馬治「太鼓を叩いて最後にばちをこういう形に…」
馬吉「人!」
馬治「入るだよ!」
ははは、人って。色々と二人で叩いてみせた後に、そのさん登場。お客様のリクエストで出囃子を御披露。5代目小さん、志ん生、円楽、歌丸などの師匠がたの出囃子を聞けた。まあ、仕事なんだから出来てあたりまえなのだけど、「小さん師匠は?」と聞くと、すっとその曲名が出て来てすらっと弾けるっていうのはすごいなあと思った。だって多すぎるでしょう、噺家さん。

所作クイズでは馬治さんが司会、馬吉さんが所作披露と、またも二人のナイスコンビネーション。この二人は一緒だと本当楽しそうだ。その後に馬生師匠が出てきての茶番も楽しくてねえ。やっぱり動きが綺麗な馬生師匠、溌溂としてこちらも素敵な馬吉さん、色物に徹する馬治さん。くー馬治さん男前なのに、踊りネタの時はいつも色物だ。しかし馬生師匠はあれね、はちまきすらカッコよく巻くね。すずめ踊りでは締まりが無いと、最後に馬生師匠が「上げ潮」(だったと思う)を披露。やっぱり所作が綺麗だ。「あ、舟」って自然に思うああいう一連の仕種ってーのはすごいなあと。

馬吉さんの「粗忽長屋」は始めて聞いた。相変わらずまくらはほとんど無しですっと噺に。全体的にポンポンポーンとテンポよく、八の調子が良くてそそっかしい感じがチャーミングだ。馬吉さんがいう「〜してるね」「〜だね」って台詞が好き。軽くって心地良いのですよう。薄い紫の着物が、ジャニーズ系な男前のお顔にとてもお似合い。

馬生師匠の「稽古屋」はお囃子が沢山入って、華やかで楽しかった。師匠が色々と歌ったり(しかも教えてる側の役の時は上手に、習いに来ている方の下手っぴに歌う)、踊りを教える場面では上半身だけだけど、踊りの仕種が沢山出て来て、これはあれだろう、そういうたしなみが無いと、この噺は出来ないだろう。子供に踊りを教える場面では、指導に熱が入りすぎてテンションが上がっていく師匠(役の中の)が可愛い。「七段目」でも、若旦那と定吉が真似をする場面ですかさず三味線が流れてきて良い雰囲気。音曲が入ると華やかでいい。馬生師匠の高座はいい意味ですっとして軽いなあと思った。さらっとしてる。

馬治さんの「紀州」も初聞き。黒の紋付に袴姿、かっこいい。あ、お侍さんが出てくる噺だから袴か。若干噺がとっちらかった感じがしないでもないし、サゲが微妙に「?」な感じだったけど、私は馬治さんの地噺の口調も大好きなので、そういう意味で紀州ナイスだ。まくらでここん所の政権争い的な事を話していて、そこから紀州に入るっていうのも、非常にスムーズでいい。って、甘いか?私は馬治さんに甘いか?。

高座4席に、普段あまり見られないものも沢山あって、大充実の寄席でした。馬生師匠と馬治馬吉ペアの掛け合いが、なんともほのぼのとしていて、そういうのが見られるのが、この寄席はいいと思う。

終了後は親睦会があり、またちゃっかり参加して、謎掛けですかさずお題を出し、馬生師匠の手拭いをいただく。謎掛けの答えはいつも、綺麗な馬生師匠、上手な馬治さん、困ってる馬吉さんという感じ。馬治さんは本当に上手につくる、頭の回転が早いんだな。日が落ちるのが早くなり外は真っ暗、開け放たれたふすまの向こうから、虫の鳴く声が涼しい風とともに入ってきて、なんとも風流でございましたとさ。

そしてその後もまた別の酒の席に参加して、楽しい話や真面目な話をしこたま聞いて、ニッコニコで帰路についたのでした。駅で別れた時「まだ10時半なんですねー」なんて言っていたけど、地元の駅に着いたら軽く12時。場所によっては行くのが少し遠いかもしれないけれど、木戸銭2000円でとても楽しい不動寄席、皆様も是非に。次回は12月1日!

« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »