浜松町かもめ亭 スペシャル公演
職場を人目を避けるように静かに脱出してきて、浜松町かもめ亭に。避けるようにといっても、制作はみんな一部屋にいるのだから、全然避けれてない訳だけども一応。「もう定時はすぎたもん!自分の仕事はキリをつけたもん!」と心で呟きつつ。
今年から始まったかもめ亭の本日はスペシャル公演だそうで、チケット代も普段よりグッと増しの3000円。スペシャルだからしょうがないかあと思いつつも、普段は噺家四人で2000円で、歌舞伎役者さんが入ったら1000円も増しって、噺家より歌舞伎役者の方が上って訳なのかしら?とちょっと「?」な気持ちに。私が福助さんのスペシャルぶりを感じられていないからかもか。そんな文化放送12階での本日のスペシャル公演はこんな番組。
立川こはる「子ほめ」
金原亭馬治「笠碁」
トーク(柳家喬太郎、中村福助)
中村福助「厩火事」
柳家喬太郎「竹の水仙」
まずはこはるちゃん。渋い紺の着物で登場。まくらはなんだかもぞもぞだらっとした感じだけど、噺に入るとなかなかに通りの良い声で、テキパキした高座という印象。声がポケモンのサトシの声に似てる。いつも立川流の若手さんを見ている時に感じる事を、こはるちゃんを見ていても感じた。それって立川流の色って事なのかな。
そして次は馬治さん。黒の着物と羽織りで登場。せっかくなんだから(何がせっかく?)、黒門亭で着ていたような明るい寒色の着物の方が、溌溂とした感じがしていいのになあと思った。が、御隠居だからあまり溌溂としていても駄目か?と今書きながら思った。まくらでは鹿芝居の事を。福助さんのお客さんも多いであろうこの席に良く合ってたな。噺は何をやるのかなーと思っていたら「趣味というものは…碁や…」と話しだして、「笠碁か!」と思わず小さく拍手。
先日の黒門亭で始めて聞いた笠碁が大変良かったので又聞けて嬉しい。でもって今日の笠碁も良かった。二人の御隠居さん達が、碁のせいで少し仲たがいをしてしまうけど、やっぱりお互いの事を好きというのを、馬治さんはチャーミングに朗らかに演じるのですよ。台詞や仕種の間も非常にいい感じで、ふっと顔が緩む。爆笑!というのではなく、聞いている間中ずっとニコニコな気分、そういう高座ですよ。黒い着物姿も凛々しく、もともと男前だし、「これじゃあ馬治さんモテちゃうなあ」とか思った(思うなよ)。笠を被ってヒュッと体を縮める姿は、何度見てもキュートだし、碁盤の縁を撫でながら話してモジモジ感炸裂。喧嘩していた相手を家に上げようとする時に「こっちは白い方を置いておいて、あいつが喜ぶからな」って台詞が好き。馬治さんがニコニコしながら、その一言で相手の事を好きな気持ちがすごく良くわかるものね。さりげなく言うからこそ余計に。
そんな馬治さんだが、御隠居が怒る場面で派手に二度も噛んじゃった。そんなに派手に噛むのも珍しいぞ!位に。でもいいんだ、高座の善し悪しはそこじゃないから。むしろ怒る場面でよかったねだ。真面目な場面だと空気が変わっちゃいかねないし。碁の事がわかったらもっと楽しいのかなあと思った。
こはるちゃん、眼鏡をかけて高座返し。座布団が二枚用意されてトークのコーナー。まずは喬太郎さんが出てきて少し挨拶。しきりに緊張するとおっしゃってる(あと「すごく座りズライ」とか)。そして中村福助さん登場。トークは福助さんの独壇場な勢い。喬太郎さん曰く「一人で転がっちゃう」福助さんのトークに、喬太郎さんは終始「サイレント顔芸」でリアクション。落語の練習の仕方とか、内容とか、芝居と落語の違いとか、そんなお話でした。
そして福助さんの高座。御本人もおっしゃっていたけど、声がちょっとかさついてて残念。あと、私には台詞が流れて聞こえてしまって、台詞として感じずらかったかな。さすが役者さんと思ったのは、高座に上がる時、下がる時の所作がすっとしていて綺麗だなあって事。
仲入りを挟んで最後は喬太郎さん。始めて聞いた「竹の水仙」。しかし甚五郎の噺って沢山有るのね。相変わらず喬太郎さんの高座は楽しい。ふっというその言葉の間が自分に合うのかな。でも、今日の噺のように「古典に今の言葉やアクションが混ざってる度の高い噺」を始めて聞いたので(今まで「心眼」とか「錦木検校」とか「金明竹」とか、ここまで混ざったのは聞いていなかった)、ちょっと違和感があったな。新作ではどんなネタでも有りだろうと思うのだけど(喬太郎さんの新作は好き)、古典に今のものが入ると一つの噺の中で材質の違うパーツが混ざっちゃってるような、そんな気分。ま、そういう時もあるのかなあと(聞き手の私の方の気持ちの具合で)。違和感とかいいつつも「番匠」「それはバンジョー」とかのネタは好きだったりするのがなんとも。しかし喬太郎さんのお腹はどんどん大きくなってないか?
テイストの違う4人を見られて大満足。エレベーターで降りようとすると角に馬治さん発見。「馬治さんだー♪」(だからどうした)。色々な方に話しかけられていらっしゃいました。
ニコニコで帰ってきて、地元でなんとなく通り道に有る古本屋に「今日はちょいと入ってみようかな」と思ったらこれまた大当たり。探していた「東京人」のバックナンバーの「落語が来てる」の号を発見。かれこれ半年以上探していて今日見つかるとは。ならばあれもあるかもよ…と探すと、あるんだものこれが。「HEART」の7月号、遠藤が倒れそうにカッコよく写ってるの。買うのをすっかり忘れていたから探してたのが、今日見つかるとは。探していた本が二冊も一緒に見つかるなんて、運がいいなーと、自分の運の良さに惚れ惚れ。さらにニコニコになって帰宅。そして「水曜どうでしょう」を見ると。
これで明日、明後日も10時まで仕事を頑張れるな。
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