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2007.05.03

末廣亭五月上席「真打昇進披露興行」

ナメてた私が悪うござんした、3時半に末廣亭に着いたら満員の為入場制限中。ここで退いたらいかんだろうと、そのまま1時間待ち、夜の部からの入場。「なにせ夜の部は真打披露興行、そんなに人は出てこないだろう」と思いきや、思いのほか沢山の人が出て、私も無事入れて、でもって最前列に座る事が出来た。最前ていいよね、前に人がいないから見やすいし、席も無いから出入りも簡単、お席確保出来て良かった。小狡い手を使ってまで前に行こうとは思わないけど、空いているなら率先して前へ。そんな本日の番組はこんな感じ。

橘美香
春風亭笑松
宮田 陽・昇
桂右團治「やかん」
春風亭柳桜「小言念仏」
松旭斉小天華(奇術)
柳亭楽輔
春風亭小柳枝「粗忽長屋」
東京ボーイズ(漫談)
桂伸治「皿屋敷」
三遊亭小遊三「金明竹」
-お仲入り-
披露口上(上手から)小遊三、夢丸、夢花、柳太郎、文月、伸治、昇太、楽輔
桂文月「看板のピン」
三笑亭夢花
檜山うめ吉(俗曲)
春風亭昇太「お見立て」
三笑亭夢丸
ボンボンブラザーズ(曲芸)
春風亭柳太郎

柳太郎さんを去年の深夜寄席で見た時に、「私来年の5月に真打披露興行があります、皆さん一回は来て下さいよ!今から言うんですからね、一日も空いていないとは言わせませんよ!」的な事をおっしゃっていて、そういうのも縁だし、聞けば師匠は昇太さんだし、じゃあと本日来てみたのですが楽しかった。

始めて見た口上は、新真打の三人がまん中で神妙な顔をしてずーっと真正面を見てるのだけど、恐い。文月さん顔丸っ、夢花さん顔長っ、柳太郎さん顔でかっ(でもっておじぎをしていても、一人体がボコンと出てる、体もでかい)。非常に見た目のキャラの立った皆様だ。楽輔さんの司会で、なんだかかしこまったカタイものではなく、のほほんとした口上だったな。昇太ファンとしては、幕が上がった瞬間に昇太さんが自分の真ん前だったので「昇太さんダー!」とそれだけでもものすごく御機嫌。昇太さんは若い真打の皆様と同じように、むしろそれ以上に顔がぴちぴちつやつやしてた、なんだあの生き物は。

もちろん、真打になられる皆様、大変おめでたい事だと思うので、これでもか!という位に一生懸命拍手をさせていただきました。師匠方の挨拶、昇太さんは全然師匠らしい挨拶じゃなかったけれど(元々は兄弟弟子ってのもあるのかな)、「途中で帰っちゃ駄目!。帰るなら、えー前に夢丸師匠が出る時にでもー。」とか「携帯ならしたら僕が許しませんよ!」とか、真面目じゃ無いけど、いいなあと思った。

寄席に行った時は「どんな球でも拾ってやるぜ」な気持ちで見るので、お目当てさん意外でもたいてい楽しい。今日も満喫だ。途中で体がポカポカしてくるのがわかって、「あー血行が良くなってるなー」と思った。血行が良くなって結構結構ってか、はははは<退場。

以下中身の感想。
春風亭昇太「お見立て」
私の大本命。昇太さんを見るのは久しぶり(一ヶ月ぶり)だったのだけど、んーもーやっぱり素敵。跳ねるように出て来て自分拍手をして高座に着席。胴体着陸の機長のまくら。ちょっとアレンジされてて、しかも昇太さんすぐそこ!という環境も相まって、何度も聞いてるのに大笑い。パイロットの事を運転手とか言ってた。あと機長さん達の楽屋とかあるんでしょ!とか。なんだ機長さん達の楽屋って。そしてお噺は「お見立て」。キャー「お見立て」!。先日の落語研究会にいけなかったので、聞けて嬉しい。

でもって思っていた通り楽しいお見立てだった。出てくる全員がハイテンション、いちいち勢いがあって、喜助の困り具合も、杢兵衛のダサさも、喜瀬川の勝手さも、昇太さんがやると皆とてもチャーミング。「静岡の出身なので涙に茶がらが」とか「座布団三枚、桂歌丸ここに」とかナイス。昇太さんの「ぽかーん」って顔や、むすっと口をつむる顔や、どれもその一瞬に出てくる表情で笑える。あのむちむちした手すら私にとってはセクシーの極み。久しぶりの昇太さんを満喫なのでした。

橘美香
前座さん。髪がちょっと乱れてるし、着物の袖の所からほつれた糸が垂れてるしで、「前座仕事が大変なのかなー」と思った。

春風亭笑松
体でかっ。

宮田 陽・昇
始めて見た。こういう「いかにも漫才」な漫才をやっている若手の人って好きだ。妙に地味なスーツといい、あの喋り様といい、好みだ。若いのだからもっと飛ばしちゃえーと思った。

桂右團治「やかん」
開口一番の「子供じゃありませんよー」の台詞が一番面白かった。この方も初見。年齢不詳の女性で、着物は男着物。噺はなんだかわしゃわしゃしてあれなのだけど(どれだ)、途中の講談のように喋る所は似合ってて聞き良かったな。

春風亭柳桜「小言念仏」
椅子に座って前に落台(ってご自分でおっしゃってたの)を置いての高座。陰と陽についてのまくらで、「へー」と素直に感心。うんこは目筋に拭かないとね!

松旭斉小天華(奇術)
ほっとんど喋らない人だった。でも「手後れのないように願います〜」って。奇術とか神楽って拍手のタイミングも大事よね。見た事のない奇術ばかりだったので楽しかったな。

柳亭楽輔
落語はせずに(ってこの言い方も変か?)長いまくらだけ。ちょっと投げやりっぽい感じの話し方で、かつ慣れた雰囲気で聞きやすかったし面白かった。いくつなのかものすごく年齢不詳。着物のセンスが好み。

春風亭小柳枝「粗忽長屋」
この人なんか好みだ。オッサンだけどえらい勢いが良くって、下品じゃなくってちょっと渋め。なんかねえ棟梁って雰囲気(私的にだけど)。そして落語歴7ヶ月にして始めて聞く「粗忽長屋」、筋は知っていたけど、改めて聞くと、まあなんとシュールな噺か。小柳枝師匠はポンポンポーンと噺が進んで行って面白かった。ちょっと他の噺も聞いてみたいな。

東京ボーイズ(漫談)
「あれ?東京ボーイズって二人だったっけか?」。なんと今日はリーダー欠席(あとで番組表をみたら骨折との事)でお二人だけの出演。副リーダーの微妙なやる気の無さ感がいい。

桂伸治「皿屋敷」
なんか芸協の人は、イイ感じに痩せた人が多いな。まくらが柳桜師匠と丸っきりかぶっちゃって、お客さんの空気で「あ、これもう聞きました!?」って。すかさず前座さんが声をかけてた。結局同じ陰と陽の事でも違う話をふって「皿屋敷」に。この人も話がポンポンポーンと進むなあ。御隠居に挨拶をする場面で「こんちはー」「こんちはー」と何人かが言うのだけど、言ったその後の台詞が「一人で何人もの声だしてんじゃねえ」。オレ的今日の大ヒットだ。

三遊亭小遊三「金明竹」
内儀さんが旦那にさっき話された事を説明するシーンが可愛い。「いるよな、そういうオバハン!」って風情。小遊三師匠って楽しいしチャーミングなのだけど、時々ふっと視線が上の空というか、何かに迷っているようなお顔をされるな。あれはなんだ。

-お仲入り-
披露口上(上手から)小遊三、夢丸、夢花、柳太郎、文月、伸治、昇太、楽輔
(お手を拝借の時に)小遊三「千円札ながらー」(僭越!僭越!と皆から突っ込まれる)

桂文月「看板のピン」
綺麗なサーモンピンクの揃いで登場。まくらでは「読み方は『ふづき』でも『ふみづき』でもいいんだけど」ってな事を。噺の最初の方は緊張のせいなのか「大丈夫かしら?」と少し思ったけれど、進むにつれてそういう事も気にならなくなった。サゲがお馬鹿でいいなあと思った。

三笑亭夢花
あれはなんてお噺なのかしら。旅に出た二人が都々逸を言いながら歩いていて、途中茶店に入って酒を飲んだけど、水っぽくって、でもそれは酒を水で薄めたんじゃ無くて、水に酒を入れたって噺。夢花さんはもそもそーと話す人かなあと思っていたら大違い。すっごい大きい声で、えらいテンションで話す人だった。顔長っ、声でかっ、そういう人。お客さんが笑おうが笑うまいが話す!そんな勢いだった。

檜山うめ吉(俗曲)
小さい人だ。フジロックにまで出た人だから、どんなパンチの利いた人だろうと思っていたけど、夢花さん同様、私の想像していた人とは違ってた。せっかくなんだから、もっと声ははっきり大きい方がいいなーと思った。黒い着物に銀地に亀甲の柄の入った帯が素敵でございました。でも座る時はもちょっと丁寧に座らないと中が見えちゃうぞ!

春風亭昇太「お見立て」
どこまでもチャーミング。元気が出ないなあ…なんて時は昇太さんの落語を聞けばいいな。できれば生で。なんでも生が一番だ。時々ほんの一瞬、すごくクールな顔をするのもいい。

三笑亭夢丸
夢丸師匠はお噺はせずに、末廣亭であった昔の思い出話をといって、三亀松師匠のしくじりの話を。「息子よ、親父の芸の邪魔をするな」。イイ台詞だ。イイ台詞だけど股間の話。師匠方の思い出話っていいよね。夢丸師匠は、ほやーんと柔らかい空気の方でした。

ボンボンブラザーズ(曲芸)
お二人でやる曲芸で、帽子やバトンの芸が多いのだけど、すごく上手。さりげなく上手ってのがナイスだ。二人が入れ代わりバトンを取り合う芸に、口をぽかーんと開けて感心。どうでもいい話だけど、片方の人、西田敏行に似て無いか。

春風亭柳太郎
新作かしら。トリだけにまくらも長く、柳昇師匠の話や、教員免許を持っている話や、前座の頃の話。そして落語は「御隠居とかが落語に出てくるような人じゃなかったら」という事で、何も教えてくれない御隠居に、自分から色々話をしちゃうっていう、なんつかね、落語では暗黙の了解で通ってる事に突っ込んで行くっていう、いいのか?そういうのをやっていいのか?って話。所作なんか全然上品じゃ無いし、話はなんだかとっちらかる事も有るし、ネタ的にも「いいの?」なんて思ったけど、若手だもの、それくらい飛ばしてもいいんじゃないかなあと思った。

もうお客さんが帰る頃、奥から三本締の声が。夜の部すべて満喫、前でちょっと端の方に座っていたので、最後の最後に、昇太さんが柄シャツにハンチング姿に着替えて、高座の入り口にいらっしゃるのも見えて、さらに満足。よーし、土曜と日曜も来るかなあ、いっそ朝から見ちゃうかなあ。そんな事を思いながら帰るのでした。


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