町田市民ホール→新宿末廣亭
今日もはしごなのですよ。まずは町田で春風亭昇太と立川談春の二人会。会の前には友人と軽く町田散策をした。東急の着物屋で60万の訪問着を見ながら思う訳ですよ。今の私には60万の、こんなぼんやりした柄の訪問着を着て行くような予定なんてまったくもって無しな訳で、じゃあいったいこういうのはどういう人が、どういう時に着て行くのかしらんとね。駅から10分位歩いた所にある800人強入る町田市民ホールでの二人会はこんなふう。
立川志の吉「松竹梅」
まくらは師匠(立川志の輔)の柏餅の話しと結婚式の司会の話で、その流れで松竹梅に。あー一ヶ月前に文鳥舎で見たのと何故被るかなあと。サゲは最後までいかず「大蛇になーられたー」の所でお終い。ハキハキしてて聞きいいのだけど「志の吉さんらしさ」ってどこかなあとも思う。お若そうだし、もちょっと弾けてもいいのになあなんて。
立川談春「大工調べ」
座布団の色が花葉色で(いったら明るい黄色)、談春さんの着物が薄黄をもう少し薄くしたような色に黒の羽織り。あー座布団の色と被っちゃってるなあと思っていたら「気が効かない弟子だな、座布団かえりゃあいいのに」と。そだよねえ被っちゃってるものねえ。座布団の色によっては、もっと着物も映えたのにな。まくらでは野球と相撲と政治家と昇太さんとマッサージと二人会の話。「あんまり疲れてたからマッサージに行ったら、体が柔らかくなって、今日はいつもとちょっと違うでしょ。いつもみたいな話は出来ないので、与太郎の出てくる話でも」と。噺に入りかけて「牛ほめ?そんな軽そうなのを?」と思っていたら、違った大工調べでした。
談春さんは色々なところでベタ誉めだったので、大層期待してきたのだけど、それがいけなかったかなあという印象。そういう前評判を知らずに聞いていたら、まくらはシャレも毒も利いていて面白いし、噺っぷりは勢いがいいし、いいなあと好印象だったんじゃないのかと思うのだけど、前評判であまりにも皆様は手放しでベタ誉めだったせいで、「ものすごくすごい人」と思い過ぎてて、正直な所「あれ…そこまとは思えないかな…」となってしまった。棟梁が大家に威勢よくまくしたてる所は、早口は早口なのだけど、何を言っているのか聞き取れなくて(これはホールの音響のせいもあるかもしれないけど)、言い終わったあと拍手がおきたけど、私はいくら早口でも聞き取れなかったらなあと思ってしまったし、裁きになって大家がやり込められるところまでいかなかったので、「くっそー大家頭に来るなあ!」という気分のままで終わってしまったというのもあって、若干残念な気分。別の会場、別の噺で又聞いてみたいなと思った。
お仲入り
劇的に厠が混んでいるうえに、お仲入り10分。ひゃーと思ったら外にも出られるとの事で一安心。長丁場な落語会は厠と食べ物が思いのほか重要だ。
翁家勝丸(神楽)
あーあの下手っぴな子だ。今日もあいかわらず下手っぴだった。キャラクターは面白いと思うので(面白いというか、駄目な子を見守るという感じでもあるけど)、早く沢山練習をして上手になったらいいのになあと。しかし町田の人はイジワルね。あれだけいっても手を上げないという。ああいう時は積極的にいかないと。
春風亭昇太「愛宕山」
出囃子がド下手でうんざりした。三味線ははしるし太鼓はあってないし。あんな下手糞な出囃子を聞かされたら興醒めしてしまう、テープでも流してくれた方がまだマシじゃあないかと。談春さんの時は「あーなんかセンスのいい出囃子だなあ」と思ったのに、昇太さんの時はこれ。なんだ、人が変わったのか。まあ弾きずらそうではあるが「デイビークロケット」って。とはいえもっちょっとマシなのを願いたい。
自分拍手と両側おじぎをして着席。綺麗な退紅みたいな着物に、菜の花色を薄くしたような色がベースの袴、激しく見える襦袢は深紅よりもう少し赤みがかった色に小さな模様の入った襦袢、ナイスコーディネート。まくらは胴体着陸とかかのう姉妹とか柳昇師匠とか「おふくろさん」の歌詞を書いた人の話しとか。なんだか随分探り探り話してるよなあという印象。胴体着陸の話しの時の「タッチ&ゴー」「花形路線」にはウケた。と言いますかね、喬太郎師匠が飛行機に乗った時のアクションで、立て膝に両手を広げて「ぶーん」にも驚いたけど、今日の昇太さんはもっとすごい、腹ばい気味になってね自分が飛行機になってたもの。どんなアクションだよ!と思った。
今日の「愛宕山」は、なんだか全体的に焦った感があった感じ。って昇太さんは結構いつも焦った感があるけど、今日はなおさら落ち着きがないような。それでも好きだからかなあ楽しい。出来としては5つ星だったら3.5位かもしれないけど、でも楽しい。拾ったお金を手のひらで「ちっちっちっ」と数える所は、そんな何度も数えてもねえと思った瞬間「ああ、一枚ずつしか増えない」、一八が「この坂を使って」といったあと、あー落ちるの早いって!きゃー!と思ったら「てな感じで♪」とまだ落ちてなかったり。私にとって昇太さんの落語は、自分が「ああ!」とか「?」と思った次の瞬間にオチがあったりホッとしたり納得したり。昇太さんの間に、自分の間が合ってるのだなあと。一八が崖を昇るシーンではお客様から拍手が。
この会場のお客さんは、神楽では手を上げないし、笑いもイマイチのりが悪そうなのに、シーンシーンで拍手はしたりするんだよな。なんだあれか、笑わないけどしっかり聞いてる客ってのか。笑わないけどしっかり聞いている客が重宝されるっていうむきが私にはちょっと納得いかない。が、男の人ってそういう所あるよね(勿論全部ではないけれど)。音楽でも、ただ「かっこいい!」って言いながら盛り上がる人が下で(主に女)、微動だにしないけど「ちゃんと聞いてくれてる」人が上で(主に男)、的なね。なんだそれ。楽しく踊っててちゃんと聞いてる、楽しく笑っていてちゃんと聞いてるという選択肢が一番いい感じなんじゃあないかなあと。
はりきって最前に行って、キャーキャー言いながら踊ったり、ガン見しながら大笑いしている事を、「…ふ」と鼻で笑っているような輩がいるのはわかっているけど、真面目くさったことや、重箱の隅をつつくような評論気取りの感想を書いた方が、一方にはウケがいいのかもしれないとも思いつつも、わーわーキャーキャー言いながら、楽しく踊ったり笑ったりしたいし、知ったかぶりの嫌味な感想は書きたくないなあなんて思うのでした。
…あれ?。二人会の感想を書いていたのに、おかしな方向へ流れてないか。お天道様が昇った後に見たら、恥ずかしくなるような事を書いているだろうなあという検討はつくのだけど、なんとなく書かずにいられない気分なので、そのままにしておく。でも後からやっぱり消すかもね!。でもって長くなりすぎたので、深夜寄席の事は、枠を変えて書くよ。
昇太さんが「軽い与太郎の話しでもしようかなあなんていうから、あー牛ほめでもやるのかなあと思ったら大工調べ。全然重いっての」と話されて、「あ!アタイもまるっきり同じ事思ったよ!」それだけで嬉しかったり。ってそういうところが女子の迂闊さっていうかね(女子のじゃなくてお前の迂闊さだ)。つか、あの流れだったら会場の8割位の人が、同じ事を思ってるよね…。
でも、いったらなんだけど、本当にただ上っ面だけ見てキャーキャー言ってる女子がいるのも事実だしね!<ええっ。
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